阪神ドラ5糸原 ワガママかなえた母に恩返しを

[ 2017年4月3日 08:15 ]

セ・リーグ   阪神1―9広島 ( 2017年4月2日    マツダ )

<広・神>9回2死一塁、糸原は中前にプロ初安打を放つ。投手・ブレイシア
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 開星高3年春に出場した10年選抜が、一つの転機だった。21世紀枠の向陽(和歌山)に初戦敗退。このままではダメだと考え、阪神・糸原は決心した。

 「最後の甲子園に絶対連れて行くから、2人暮らししてください」。母・洋子さんに頭を下げた。島根県雲南市の自宅から同校までは電車通学で約1時間。自主練習が満足にできない悩みがあった。そこで、同校がある松江市内でアパートを借り、母との2人暮らしを申し出た。

 洋子さんは振り返る。「意志が固かったのでなんとかなるか、と思って」。経済的な不安もあったが承諾してくれた。

 どれだけ遅く帰っても暖かい食事があった。どれだけ汚れたユニフォームでも次の日には真っ白だった。おかげで夏の甲子園にも出場できた。

 「ここまで育ててくれたので、プロで活躍して恩返ししたい」。ドラフト後に誓った言葉にウソはない。初安打が、何よりの恩返しとなった。(阪神担当・巻木 周平)

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2017年4月3日のニュース