糸井 思わぬ“大当たり”移籍1号&死球交代 でも軽症で病院行かず

[ 2017年4月3日 06:10 ]

セ・リーグ   阪神1―9広島 ( 2017年4月2日    マツダ )

<広・神>3回2死、糸井は阪神移籍第1号となる右中間ソロを放つ
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 阪神はマツダスタジアムで2日、広島に1―9で敗れた。開幕カードは1勝2敗の負け越しに終わったが、糸井嘉男外野手(35)が3回に右越えへ1号ソロ。記念すべき移籍1号に敵地の虎党は沸き返ったが、5回の第3打席で右肘に死球を受け、6回の守備からベンチへと退いた。

 状態が不安視されたが、病院へ行く予定はなく大事に至らなかった様子。本拠地開幕となる4日のヤクルト戦(京セラドーム)出場は微妙だが、虎の超人は3戦4安打5打点1本塁打と上々のスタートを切った。

 勢いが止まらない。開幕カードは負け越しに終わったが、糸井が敵地で残したインパクトはあまりに強烈だった。名刺代わりの3戦4安打5打点。信条とするフルスイングで、虎1号を放ったのは0―2の3回だった。

 「真芯でしっかりととらえられた。ただ感触は良かったのですが、弾道が低かったので“どうかな?”と思った。入ってくれて良かったです!」

 2死無走者で迎えた第2打席。九里の初球シュートを完璧にとらえた。持ち味とする鋭いライナーは、瞬く間に右中間スタンドの最前列へと着弾。開幕から3試合連続の打点となり、阪神へFA移籍した選手が移籍初年度にマークするのは球団史上初の快挙となった。

 「常に1日1日修正。打撃の感覚もその日ごとに変わるからね」

 打撃感覚には人一倍繊細さを求める。オリックス時代から試合用バットにグリップテープを巻く習慣を持つ。テープ量はその日ごとの手の感触によって、その都度、変化するという。それだけではない。「その時の気分で」選ぶというテープ色も白色や黒色などがズラリ。心身ともにコンディションのわずかな変化を敏感に感じ取ることが、グラウンドでの圧巻のパフォーマンスにつながっている。

 ただ、ど派手な一撃を放った一方で、アクシデントにも見舞われた。5回の第3打席。1ストライクから九里が投じた直球が右肘上付近に直撃。一塁ベースへ到達する途中には、激痛に顔をゆがめ座り込んだ。ベンチ裏で約3分間の治療を終えプレーを再開。5回裏の守備もこなしたが、6回裏の守備からは中谷と途中交代した。

 金本監督は試合後、交代の理由について「(交代は)ちょっと腫れがひどくなってきたから」と説明。続けて、4日のヤクルト戦出場の可否については「腫れ具合。骨には異常ないと思うけど」と語った。本屋敷トレーナーも、軽症を強調。「当たった場所が病院に行くようなところじゃない。腫れがなくなれば、大きな問題じゃない」とし、幸い大事には至らなかった模様だ。

 試合後の問いかけには無言だったが、広島駅では時折笑顔を浮かべながらファンへのサインに応じた。再び今後の見通しを問われると「(4日の出場は)分からない」と慎重だったが、早期の回復を祈るばかり。4日からは京セラ、甲子園での本拠地6連戦。反攻の中心には、糸井がいる。(久林 幸平)

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