イチロー 5年ぶり打率3割超えOP戦締め「バカには野球は向かない」

[ 2017年4月3日 05:30 ]

オープン戦   マーリンズ3―2タイガース ( 2017年4月1日    ジュピター )

<マーリンズ・タイガース>3回、安打で出塁し、後続の適時打で生還するマーリンズの二走イチロー
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 新打法で17年目へ――。マーリンズのイチロー外野手(43)は1日(日本時間2日)、タイガースとのオープン戦最終戦で3回に代打で右前打。キャンプ中の負傷の影響が懸念された中で、5年ぶりの打率3割超えでオープン戦を終えた。日米通算4308安打のレジェンドは新たな打撃技術の開拓も進め、3日(日本時間4日午前2時5分開始予定)のナショナルズとの開幕戦から全力で臨む準備が整った。

 3回2死。代打で出場したイチローは、初球の94マイル(約151キロ)をフルスイングした。球足の速い打球が右前へ。この安打で打率は・311に上昇した。開幕から全力でいけるのか問われると「そのつもりです」。全開宣言も飛び出した。

 2月21日の練習中にバーンズと交錯し、右膝上部の打撲と腰の違和感で8日間の別メニュー調整。その分、初動負荷理論に基づく専用マシンでのトレーニング時間が増えた。プレーにもたらす効果について「未来のことは分かりません」とけむに巻いたが、新たに導入した3台のマシンは骨盤と股関節の機能と柔軟性を向上させ、大きなトルク(体のねじりの強さ)を生み出す。現在取り組んでいる打撃スタイルには明らかにプラスだ。

 昨季はバットをぶつけるように出すことでシンプル化し、右足はすり足に近いステップに。スイングの「時短」に成功した。15年の打率・229から・291へV字回復。今季はその形を継続しつつ遠心力を重視する。ヘッドをやや遅らせることで遠心力が働き、確実性と飛距離アップを両立。5年ぶりの打率3割超えに加え、打撃練習での飛距離は確実に伸びて同僚を驚かせている。

 現役最年長野手は43歳になり、外野4番手の位置付けも変わりはない。それでも妥協を許さず試行錯誤を続ける。キャンプ総括の言葉にもその姿勢は貫かれていた。「バカには野球は向かないということですね。コンピューターに支配されてバカでも野球ができるような環境にはなってきましたけど、それでもバカには野球は向かない。いつの時代もそうですから」。自主トレ初日から45日間。キャンプ地での日々を「長かったぁ〜」と苦笑したが、打席で準備期間の成果を確かに示した。(ジュピター・笹田 幸嗣通信員)

 ≪前回は13戦で4割超え≫イチローがオープン戦で打率3割を超えたのはマリナーズ時代の12年以来。同年は13試合で打率・415(41打数17安打)、2本塁打、9打点の好成績だった。マ軍とマイナー契約を結んで渡米1年目の川崎が15試合で打率・455と猛アピール。2号アーチを放った3月21日ホワイトソックス戦の試合後に「俺だってやんなきゃ、しようがないという感じになる」と後輩に刺激を受けていることを明かした。

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