【東尾修の目】菅野のカット、武器にするか修正するか見極め大事

[ 2017年2月6日 08:57 ]

ブルペンで捕手に叫ぶ菅野
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 菅野は試運転といったところだったが、投球フォームの中で気になるところはなかった。捕手を立たせて投げることからスタートしたことも好印象を受けた。

 レギュラーシーズンより1カ月近く早く開幕するWBC。仕上げを急いで、早い段階で捕手を座らせると、指先で無理にひっかいたり、体にも負荷がかかる。まずは高めにスピンの利いた球を投げ、徐々に捕手の腰を落とせばいい。彼は完成されている投手。一度、実戦手前までいけば一気に仕上がっていくはずだ。

 WBC球の対応に関していえば、右打者の外角に行く球がカット気味に動いていた。日本の統一球と異なり、縫い目のかけ方でボールも動く。その見極めが大事だ。武器にするのか、修正するのか。変化球も含めて球種の多い投手だけに、捨てる作業も必要になる。

 100%に近い形で投げないと、見えてこないものもある。大事なのは本塁ベース上の回転力。私が侍ジャパンの投手総合コーチを務めた前回13年大会では、田中(現ヤンキース)のスライダーに回転力が足りなかった。田中クラスでもそういった事態は起こる。あらゆることを想定して入念な準備を進めてほしい。 (スポニチ本紙評論家)

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2017年2月6日のニュース