菅野WBC球でまた新魔球 ワンシームの次はナチュラルカット

[ 2017年2月6日 05:30 ]

ブルペンで投げ込む菅野
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 WBC公式球が、侍ジャパンのエースにまた新たな「魔球」を与えた。第2クール2日目、巨人・菅野は今キャンプ初めて本格的にブルペンで投球練習を行った。捕手を立たせた状態で直球を6球投げ込むと、捕手が中腰に。投球の強度を上げて1球ごとに自らの球の軌道をチェックした。

 いつもと違う。「引っかかると(直球が)カット気味にいく。あれはあれで使える」。菅野はうなずいた。

 17球目からは、侍メンバーの坂本勇が右打席に立った。投じた15球は全て外角直球だったが、捕手がミットを伸ばして捕球する場面も。坂本勇が「カットしていた。打ちづらそうだなと思いながら立っていた。(試合でも)使えそう」と太鼓判を押せば、さらに具体的に証言したのは、受けた用松ブルペン捕手だ。

 「カットでも球威が落ちず、直球の力強さが残っていた。コントロールできれば、凄く良い球だと思う」。通常、カットボールはきれいな回転のフォーシームと比べて、軌道がそれる分だけ球威は若干落ちるが、菅野の場合、球威も変わらないという。名付けるなら「ナチュラルカット」だ。坂本勇も「速っ!」と目を丸くした。

 滑りやすいとされるWBC球だが、元々、指の力が強くスピン量が多い菅野が握ると、新たな変化を生み出す。キャンプ直前の1月28日の1軍合同自主トレでは、得意のワンシームが「エグい曲がり方」をすることを発見した。「ナチュラルカット」は、シュート系のワンシームとは逆の軌道となるため、より効果的で、菅野も「(操れれば)面白いなと思った」と笑みを浮かべた。

 第2クールでのブルペン入りはスロー調整にも思えるが、プラン通りだ。この日はカーブを交えて計37球。「いいバランスで投げられたし、順調。あさって(7日)に(捕手を)座らせて30〜50球ぐらい投げると思う。引き続き自分のペースを保ってやっていく」。慣らし運転を終えた日本のエースが、発見を重ねながらギアを上げていく。(重光 晋太郎)

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2017年2月6日のニュース