新井クタクタ 志願の50分190本ノック「「体はバギバギ」

[ 2017年2月6日 05:49 ]

鬼気迫る表情でノックを受ける新井
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 広島・新井貴浩内野手(40)が5日、志願の特守で5日間にわたる日南キャンプ第1クールを締めた。室内練習場で、休むことなく下半身をいじめ抜いた50分間、190球のノック。「体はあちこち張っているけど、しっかり追い込めた。充実したクールだった」。昨季MVPの栄誉に甘えることなく、リーグ連覇に向けて体づくりに励む春。不惑を迎えてもベテランは元気だ。

 気合を入れるベテランの声が響き渡った。悪天候のため、左翼後方に設置された新グラウンドから、室内練習場に場所を移して行われた特守。メニューにない志願のそれは午後2時過ぎに始まり、終わると時計の針は3時を指していた。新井は汗を拭って言った。

 「しっかり(股を)割って取る動きの中で下半身が鍛えられる。打つ方もしんどいので、高さんに感謝しないと」

 疲労はさすがに隠せなかった。5勤で行われた第1クール最終日。体の状態を把握する高ヘッドコーチは、左右の幅を抑え気味にノックバットを振った。懸命に打球を追うが、足腰は見るからに重そう。終了後は即、昨秋から敷かれた人工芝の上に横たわり、入念にストレッチをこなした。

 「年が年なので、念を入れてストレッチをやっておかないと。疲れが毎日残っているし、回復も遅くなっているので」

 無理もない。リーグ優勝後は多忙なオフを過ごし、キャンプイン時点で「下半身は(練習量が)足りていないところがある」と自覚。3日連続で計46本の50メートル坂道ダッシュをこなすなど、徹底的にいじめ抜いてきた。いきおい「体はバギバギ。毎朝の起床にも神経を使う」と打ち明ける。

 「ピリッと来たら終わり。体が固まっているからすごく慎重に起きる。10分ぐらいかかる」

 日南でのノック、ランニングが原点だ。汗だくになりながら入団当時の記憶がよみがえっていた。午前中はウオーミングアップと強化走に専念し、わずか10分だったランチの時間。座って食べることは許されず、終了後はすぐに技術練習が始まる―。新井は苦笑して言う。

 「(ヘッドコーチの)大下(剛史)さんによく怒られた。ノックと走ることは基本中の基本。当時はしんどかったけど、今は重要だと思う」

 1月末で40歳になったばかり。今日6日はキャンプ初の休日。つかの間の安息に体を休め、7日から第2クールに臨む。

 「長くやっているから感覚的に分かる。まだまだ下半身を鍛えていかないといけない。ユニホームを着ている間は(若手には)まだ負けないぞという気持ち」

 リーグ連覇と日本一を目指す春。ケガに細心の注意を払いながら、体を鍛え抜くチーム最年長の存在が頼もしい。 (江尾 卓也)

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2017年2月6日のニュース