最後は20年以上前…ソフトB工藤監督 原点回帰 母校グラウンド立ち寄る

[ 2017年1月13日 05:30 ]

工藤監督(右)はリオデジャネイロ五輪男子卓球団体銀メダルの吉村と握手
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 原点回帰で、日本一への思いを新たにした。ソフトバンクの工藤公康監督(53)は12日、名古屋市千種区の愛知工大付属中学校で行われた名古屋電気学園の「後藤こうじ賞」の授与式に出席。在校生との交流会後には急きょ、愛工大名電グラウンド(春日井市熊野町)に立ち寄り、高校3年間を過ごした思い出の場所を懐かしんだ。

 最後に母校のグラウンドを訪れたのは20年以上前にさかのぼる。昨年5月に改修され、施設など工藤監督が在籍した当時とは違う。それでも数々の思い出が鮮明によみがえる。「3年間、非常に厳しいけどワイワイ、ガヤガヤやっていた。ごはんを作るのも、まき割りもうまくなった。俺がつくったごはんが一番おいしかった」。汗と涙が染みこんだ場所に立ち、自然に頬が緩んだ。

 グラウンドと寮は学校から約13キロ離れた場所にあり、当時は毎日走って通った。「(通うのに)1時間くらい。走ることの大切さを教わった。下半身をつくったことで肩も肘もケガしなかった。夏でも投げ込みでもバテなかった」。81年夏の甲子園で4強進出、2回戦の長崎西戦でノーヒットノーランを記録した。当時の写真が現在も寮に飾られ、食い入るように見つめた。

 この日は名古屋電気学園の「後藤こうじ賞」を受賞。グラウンド脇に記念プレートが飾られた。昨年1月に野球殿堂入りした工藤監督も母校からの表彰に胸を弾ませた。

 「ここが僕の野球の原点に近いところ。改めて表彰していただき、長い年月、野球に携わってきてよかったという思い、感慨深い思いがある」

 後輩の生徒100人との交流会では、ハングリー精神や失敗を恐れないことなど熱く語った。野球人生の基礎を築いた高校3年間が今につながる。「チームを一つに、心を一つに、一丸となって戦っていく姿勢を見せ、日本一を奪還すること」。日本一奪回への熱い思いを再確認できた。指揮官にとって貴重な母校訪問だった。 (後藤 実穂)

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