江越4試合連発キング弾 守備でも超美技魅せた

[ 2016年4月10日 05:48 ]

<神・広>4回無死一塁、江越が中越えに4号先制2ランを放つ

セ・リーグ 阪神2-6広島

(4月9日 甲子園)
 阪神・江越大賀外野手(23)が9日の広島戦(甲子園)で出場4試合連発を記録した。4回無死一塁、難敵の広島・黒田からバックスクリーンへ先制の一撃を打ち込んだ。同点の9回には中堅後方への飛球を好捕するなど攻守で活躍。“不敗神話”はプロ通算9本目で止まっても、同僚ゴメスらに並ぶリーグ最多4号で大砲候補としての潜在能力を見せつけた。

 江越が初球で決めた。4回無死一塁で黒田のカットボールを一閃。打球はバックスクリーンまで一直線で伸びた。3日のDeNA戦(横浜)、7日の巨人戦(東京ドーム)、そして前日8日の同戦に続く出場4試合連続本塁打。2試合連続の先発起用に応えた。

 「高めに来て、失投だと思うんですけど、思い切りとらえられたのは良かった。前の打席は淡泊になっていたので」

 打順に左右されない強振が最大の魅力だ。第1打席で初球直球を見逃し、4球目のツーシームを打ち損じた中飛凡退の反省を踏まえて果敢なフルスイングで挑んだ。

 両軍無得点の中盤に迎えた無死一塁。黒田に対して初めて走者を出し、打順は2番。手堅い作戦は求められなかった。実は今季初先発に送り出された前日の試合前に金本監督から言われた。「ゲッツーはあまり意識しなくていい。バントはあまり考えてないし、恐れずに打ちにいけ」と。だから、「打順は気にしていないです」と言い切った。

 試合前のフリー打撃後にも「ちょっと、来い」と呼ばれ、2人でバットを携えてベンチ裏へ消えた。金本監督が現役時代に黙々と素振りを繰り返したスイング室を舞台にしたとみられる直接指導。「軸が前に行きがちだったので直すように、と言われました」。心と技で背中を押され、4戦連発は生まれた。

 守備でも魅せた。同点の9回、2死二塁から会沢の大飛球を好捕。「打った瞬間は捕れると思ったけど、風にも伸びていったので」。前進守備から40メートル近く背走して打球をつかんだ。

 昨季のチームは黒田と6度対戦して4勝を献上。一度も黒星を付けられず、江越個人も6打数1安打に抑えられた。「去年の印象はあまり良くなかったので、次の印象は変わると思う。そういう意味でも次につながる」。今年初顔合わせで奪った強烈な一発は残像となって難敵の脳裏にも残ったはずだ。

 痛恨の逆転敗戦で昨季のプロ1号から続いていた本塁打の“不敗神話”は8試合で止まった。「こういう試合で勝たないと(本塁打の)意味もない」。唇をかんで悔しがる姿も頼もしい。4号はゴメスらに並ぶリーグ最多。外野のレギュラー争いを高いレベルで激化させる大砲候補がいれば、猛虎の勢いは止まらない。(久林 幸平)

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