楽天の史上最重量大砲アマダー オープン戦初打席「来日1号」

[ 2016年2月22日 05:55 ]

<中・楽>初回1死一、三塁、先制3ランを放つアマダー

オープン戦 楽天7―3中日

(2月21日 北谷)
 これが重量級のパワーだ!楽天のジャフェット・アマダー内野手(29)が21日、チームのオープン戦初戦となった中日戦(北谷)で初回に「来日1号」となる先制3ランを放った。これまでの実戦では精彩を欠いていたが、NPB史上で最重量となる体重135キロの助っ人がついに本領を発揮。右の長距離砲として2年連続最下位からの巻き返しを狙うチームの起爆剤になる。

 沖縄の青空に「来日初」の放物線を描いた。ゆっさゆっさと巨体を揺らしてベースを1周したアマダーは、ベンチ前でナインとハイタッチ。流れをつかむ先制3ランで梨田新監督にオープン戦初勝利をプレゼントした。

 「ホームランは素直にうれしい。結果が出るように練習してきた。アドバイスをくれたコーチや周囲の方々に感謝したい」

 オープン戦の初打席で快音を響かせた。初回1死一、三塁でフルカウントからの6球目を軽々と左翼席まで運んだ。1ボール2ストライクから2球連続で際どいコースを見極め、内寄りに甘く入った141キロ直球を強振。NPB史上最重量となる135キロの巨体に注目が集まるが、選球眼やバットコントロールの評価も高まっている。

 悩んでいた。昨季メキシカン・リーグで41本塁打、117打点の2冠で、MVPに輝いた実績を引っさげて来日も、過去3試合の対外試合は計7打数1安打。内野ゴロが多く、パワーを生かした本来の放物線は描けていなかった。力みで上体が前に突っ込み、バットの軌道も一定しなかった。池山打撃コーチら首脳陣のアドバイスを求め、ボールの下を叩くように打撃フォームを修正。ここ数日はレベルスイングを心掛け、打球に角度がつくようになった。4回の左飛もフェンス手前の大飛球。調子を上げてきた4番候補について梨田監督も「初回の一発は大きかった。待望の一発」と目を細めた。

 昨季2年連続で最下位に低迷した大きな要因は、リーグ最少タイの85本塁打に終わった長打力不足。主力には銀次、藤田ら左打者が多く、右の長距離砲であるアマダーが打線の中心を担う存在になれば、同じく右打ちのジョーンズ、マギーが4、5番で優勝した13年の攻撃力に近づく。

 迫力ある見た目とは対照的な真面目な性格。休日も自室で日本人投手の映像を見ながら配球を研究している。時間があればメキシコに住む夫人と国際電話する愛妻家だ。

 「まだ感覚は50%ぐらい。開幕までの実戦で残りの50%を上げたい」とアマダー。現在、夫人は第2子を妊娠しているため来日の予定はないが、単身でジャパニーズドリームをつかむつもりだ。(山田 忠範)

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