ヤクドラ1原樹 開幕ローテへ2回無失点!手応えの宝刀シュート

[ 2016年2月22日 06:31 ]

<ヤ・神>1回1死一、三塁、原樹は陽川からシュートで見逃し三振を奪う

オープン戦 ヤクルト1―5阪神

(2月21日 浦添)
 納得の表情だった。ヤクルトのドラフト1位右腕・原樹(東洋大)が阪神とのオープン戦で2回無失点の快投。「(打撃投手では)自分のチームの打者なので遠慮していたが、シュートの精度があったので良かった」とプロ初の実戦登板で確かな手応えをつかんだ。

 伝家の宝刀で窮地を切り抜けた。初回に連打で1死一、三塁のピンチも右打者の陽川に内角へ食い込む143キロ、左打者・ペレスには外角いっぱいに逃げる138キロで連続の見逃し三振。「両サイドの投げ分けを意識した」。2回には梅野の内角をえぐってバットをへし折り、高津投手コーチは「内角に制球できるのが強み。スピードが落ちないのも良い。人が投げられない球だね」とうなった。

 大学2年時に痛めた右肘に負担のかからない球種を模索し、習得したのがシュートだ。最速145キロの直球に近い球速で浮き上がり右打者の胸元をえぐる。カットボールやスライダー、フォークと球種は多彩。習得に励むカーブでストライクを奪い、「きょう一番うれしかった」と笑った。

 兵庫県出身で、子供のころはオリックスのファンだった。イチローがサヨナラ打を放ち、パ・リーグ優勝を決めた96年9月23日の試合(グリーンスタジアム神戸)も生で観戦。観衆が多いほど燃えるのか、この日初めて体感した阪神ファンの大声援も「お客さんの応援で緊張がほぐれた気がする。ピンチの時こそ落ち着いていかなければいけないと思った」と動じなかった。期待のルーキーは肝も据わっている。

 次回登板は3月3日のDeNA戦(横浜)。真中監督が「十分チャンスがある」と話した開幕ローテーション入りへ、結果を残し続ける。(平尾 類)

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2016年2月22日のニュース