藤浪、超速クイック1秒01「カール・ルイスでも走れない」

[ 2016年2月7日 05:35 ]

ブルペンで“驚速クイック”を披露する藤浪

 若きエースがさらなる進化を遂げた。沖縄宜野座キャンプ第2クール初日となった6日、阪神・藤浪晋太郎投手(21)が今キャンプ2度目のブルペン入り。クイックモーションの練習で1秒01の驚異的なタイムをマークした。その後は下柳剛臨時コーチ(47)に志願して課題のゴロ捕球を特訓。完全無欠の投手へと成長を続けている。

 ストップウオッチが驚異的な数値を示した。片山ブルペン捕手が藤浪のクイックモーションの計測を始めて4球目。「1秒01」の表示に「計り間違ったんちゃうかな」という声までもれた。それでいて、球威も全く落ちない。4年目を迎えた右腕は恐るべき技術を身に付けていた。

 「タイムを測ったんですが、すごく良くて自分自身驚きました」

 メジャーリーグでは投手のクイックは1秒25以内なら合格点と言われている。日本球界では最速で1秒を切ると言われるDeNAの久保の「スーパークイック」が有名だが、それに匹敵するほどのレベルだ。片山ブルペン捕手の口からは、あの世界的な名ランナーの名前まで飛び出した。

 「めちゃくちゃ速かった。ボールも速いし、絶対に走れない。坂本が(捕球から二塁まで)1秒6で投げるというから、合わせても2秒6。カール・ルイスを連れてきても無理やと思うよ」

 これまでも決してクイックは遅い方ではなかったが、昨季、許した盗塁13は投手陣ワースト。捕手との共同作業とはいえ、盗塁阻止率・278も主な先発ローテ陣で最悪だった。

 「クイックそのものというよりも、間合いだとかけん制とかが走られている要因だと思います。その辺をもっと理解していけば、より打者に集中できると思います」

 いかに藤浪とはいえ、走者を全く出さないことは不可能。投げること以外の部分でもどん欲に成長しようとする姿勢が、異例の好タイムにつながった。金村投手コーチも「クイックは速く投げないといけないけど、その中でもしっかりと球に力が伝わっている。あの速さであんなボールを投げられるのはすごい」と舌を巻いた。

 ブルペンでは多彩な球種を全てチェックしながら50球。最後は150キロ以上は出ていそうな剛速球で締めくくり、その後は下柳臨時コーチに志願して課題のゴロ捕球の特守まで決行。同コーチも「自分からやりたいということだったんで」とエースの自覚の高さに目を細めた。

 果てしなく進化を続ける21歳。今季はどんな成績を残すのか、今から楽しみで仕方がない。(山添 晴治)

続きを表示

2016年2月7日のニュース