中畑氏 古巣・巨人分析 阿部復活と競争激化がV奪回カギ

[ 2016年2月7日 08:10 ]

阿部の打撃練習を見守る(後ろ左から)中畑清本紙評論家、内田打撃コーチ、松井秀喜臨時コーチ

 前DeNA監督の中畑清氏(62=スポニチ本紙評論家)は6日、古巣の巨人キャンプを視察した。別メニューのスロー調整を続ける阿部慎之助捕手(36)の打撃練習を、松井秀喜臨時コーチ(41)とともにチェック。自身の現役時の背番号「24」を継承した高橋由伸監督(40)を激励した中畑氏は、阿部の復活をはじめ、個々の競争の激化がV奪回の鍵だと分析した。

 5年ぶりの宮崎。私の野球人生のふるさとだと思うくらい落ち着く。ファンには「ジャイアンツに戻ってきて~」と言われた。ただ、今はDeNAが「自分のチーム」という気がするけどね。

 木の花ドームでの阿部のフリー打撃を、松井臨時コーチと一緒に見た。率直な感想は、右足でしっかりと壁がつくれず、体が前にスエーして(傾いて)しまう。崩れた形のままで打っている。松井とも気になったポイントを話したら、同じだった。右足は上げた場所に、そのまま下りてくるのが理想だ。本人も当然、分かっている。まだこの時期だし、これから取り組んでいけばいい。

 その松井にはまず、去年のDeNAの宜野湾キャンプに来てくれたお礼を言った。「アドバイスをしてくれた筒香が1億円プレーヤーになれたよ。来てくれたおかげだ。ありがとう!」と話したら「そうでしょ」と。そういうところは謙虚じゃないんだよな。私に対しては、だけどね。

 松井はいいコーチだと思う。いい選手にしようと、積極的にアドバイスしているし。短い期間をしっかり生かしている。去年ベイスターズに来てくれた時には遠慮があったけど、今回は全く遠慮がないね。原タワーにも座ったんでしょ。ずうずうしいね(笑い)。監督より先に座るという、そのずうずうしさがあいつの持ち味。自分のペースでやれているということだから。

 高橋監督は、凄く落ち着いている。新監督という雰囲気はなかった。ちょっと悔しかったね。私なんか1年目、凄くはしゃいでいた。大変だろうけど、それを見せない落ち着き払った態度を見せるのも大事。ジャイアンツの監督はそういうタイプなのかな。私は似つかわしくないね。反面キヨシ(教師)です。

 マイコラス、ポレダの両先発に加え、野手はギャレット、クルーズ、アンダーソン…。外国人枠の問題もあって、マシソンを先発に回すのか、そのまま中継ぎで使うのかという悩みもある。これが、うれしい悲鳴になればいい。チーム全体として、野手も投手も高いレベルの競争になっていけば。逆に低いレベルで悩むようだと、昨年はリーグ内の戦力もきっ抗していたから、Bクラス転落という怖さもある。

 セ・リーグを盛り上げるためには、巨人が強くないといけない。巨人ファンの期待に応えるのは、勝つということ。OBとして、強い巨人の復活に期待したい。(スポニチ本紙評論家)

 ▽昨年の松井氏のDeNAキャンプ視察 中畑監督の熱烈ラブコールを受け、2月5~7日に沖縄・宜野湾を訪問。スーツの上にDeNAのジャンパーを羽織り、同じ左打ちの長距離砲・筒香の居残り特打に熱視線を送った。「同じ年齢の頃に比べると彼の方がもっと柔らかい。逆方向にも打てる」と絶賛すると、約3分間、質問を受けるなど言葉を交わした。その姿に、中畑監督は「みんなが喜ぶし、球界への恩返しにもなる」と大喜びした。筒香は昨季、打率・317、24本塁打、93打点の好成績をマーク。11月の「プレミア12」では日本代表の4番にも座った。

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2016年2月7日のニュース