広島ジョンソン、チェンジアップ進化 緩急つけて「魔球化」

[ 2016年2月7日 08:20 ]

ブルペン投球で変化球を投げるジョンソン

 広島の宮崎・日南キャンプは6日、第2クールが始まった。昨季、最優秀防御率のタイトルに輝き2年目を迎えたクリス・ジョンソン投手(31)は今キャンプ2度目のブルペン入りで、決め球の一つであるチェンジアップの「魔球化」に取り組んだ。

 2年目に向け、油断は一切ない。昨季、防御率1・85でセ・リーグ最優秀防御率のタイトルを獲得したジョンソン。相手の研究が進むことは明白で、自身も改良、成長が必要なのは言うまでもない。そんな中、今キャンプで取り組んでいるのが昨季、相手打者を手玉に取った魔球とも言えるチェンジアップの、さらなる進化だ。キャンプ3日目の初ブルペンで試投を始め、この日が2度目のブルペン。48球中10球をリニューアル球の練習にあてた。

 「今のチェンジアップは握りを広くしたスプリット・チェンジアップさ。握り方は、いろいろ試している。球種を増やしたわけではない。昨年のものが悪かったわけでもない。ストライク率を高めたいんだ。きょうは悪かったね」

 首脳陣も助っ人左腕の取り組みを静観する考えでいる。投球を見守った畝投手コーチは「きょうはバランスが悪かった」と評しながらも、試行錯誤中のチェンジアップについては「もっと抜けるような感じにしたい、と言っていた。去年はスピードが速すぎたと感じているようだ。緩急を付ける方向だね」と理解を示す。

 ジョンソンは昨春キャンプでは紅白戦には1度も登板しなかったが、キッチリと開幕までに仕上げ、3月28日のヤクルト戦で衝撃的な1安打完封勝利で公式戦デビューを飾った。同投手コーチも「言いたいことが出てくれば言うけど、調整は任せている」と厚い信頼を寄せた。

 ややふっくらした体つきも不摂生ではなく、計画的なものだ。シーズン中に細くなることを見越して「4、5キロ」増量。ブルペンを視察したヤクルトの衣川篤史スコアラーは「去年のこの時期よりも、早い開幕をにらんで調整が進んでいるように見える。今は太い分、バランスが悪いかもしれないが(絞れれば)仕上げてくる」と話すなど、他球団007も警戒心を解いていない。

 昨季は14勝しながら15勝した同僚の前田に最多勝を奪われ、2冠を逃した。その前田はドジャースに移籍。魔球が進化すれば投手2冠も見えてくるはずだ。(水口 隆博)

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2016年2月7日のニュース