松田40発へ「軽男」打法 計量バット&「7割」スイング

[ 2016年2月7日 06:23 ]

フリー打撃する松田

 「軽男」で40発だ。ソフトバンク・松田宣浩内野手(32)は6日、フリー打撃で29スイング中7本の柵越えを披露。今季の目標である40本塁打へ向け、「7割」のパワーで球を確実にとらえる新打法は順調だ。また、今季新たに900グラムのバットを用意したが、昨季から使い慣れた875グラムの方がしっくりくる様子。今キャンプ最多の2万1100人のファンが訪れた中「熱男」を連呼した男は、打撃では「軽男」をテーマにする。

 「軽男」――。決して軽薄な男との意味ではない。しっかりとボールをとらえようとする姿勢のことだ。松田の軽く振り抜いた打球は、左翼芝生席上段のコンクリートを直撃。満員のスタンドからは、まるで花火大会のように「熱男~!」のかけ声が響き渡った。

 「全力で振るのはいつでもできる。軽くしっかり、体を使いヘッドを利かす。ボールの勢いを利用して飛ばすんです」

 左投手が相手だった右側の打撃ケージでは26球すべて右方向に狙った。軽く感触を確かめるだけだ。フェンス直撃はあったが、柵越えはゼロ。右投手が相手の左のケージも力は「7、8割」だったが、29球すべて引っ張った。2度の連発を含む7本の柵越え。コツンと当てて角度を付けて飛ばす形を体に染み込ませた。「40本を打つためには打ち損じを少なくすることだと王会長もおっしゃられていた」。世界の本塁打王の助言もあり、常にフルスイングを心がけてきた昨季までのキャンプとはまた違う「軽男」の一面を見せた。

 バットも「軽さ」重視だ。このオフ、メーカーにはこれまでより25グラム重い900グラムのバットを発注。本塁打量産へ新たなスタイルをつくりだそうとした。ただ、キャンプ5日目のこの日はフリー打撃の途中で、875グラムのバットに替えた。「(875グラムが)前でさばく時、自分の打球が打てる。900グラムの方は重たい」と軌道修正する決断も早かった。

 昨季、5番を張った李大浩(イ・デホ)が抜ける。主に6番だった背番号5がクリーンアップへ昇格する可能性も高くなった。「何番になろうが、40発を打つ気持ちは変わらない」。どの打順だろうと対応する気持ちは常にある。

 キャンプ最初の土曜日となったこの日。生目の杜総合運動公園には2万1100人が押し寄せた。フリー打撃後「あと15回は“熱男”言いますよ」と特守に飛びだした男は言葉通り、ファンの前で何度も右拳を上げた。本塁打を打った時に見せるこのポーズ。今季は40回以上することを自らに課している。(福浦 健太郎)

 ▽バットの重さ かつては福本豊(阪急)がパワー不足を補うため1180グラムのバットを使用。正田耕三(広島)も1キロ以上のバットで安打を量産した。だが、近年は軽量化が進み920グラム前後が一般的。長距離砲では中村剛也(西武)が一時、950グラムの重量バットを使った一方、山崎武司(中日)は880グラムと軽量だった。

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2016年2月7日のニュース