引退を決めた高橋由、井端 成績以上に残した“功績”

[ 2015年10月25日 08:30 ]

2014年、セ・リーグ優勝を決めガッツポーズする高橋由と井端

 2人の偉大なプレーヤーが23、24日の2日間で立て続けに現役に別れを告げた。巨人の高橋由と井端だ。華麗さの高橋由に対し、泥臭さの井端と言ったら、井端に失礼かもしれないが、それぞれの形で体現しうる最高のパフォーマンスを見せていた。2人のプレーが見られなくなるのは残念だが、彼らが選手として残した成績以上に、チームメートに残した財産は計り知れない。

 今季ブレークした立岡は、高橋由がプロデビューした98年の時は小学2年生。「テレビで憧れていた人」だという。兼任コーチの肩書きはあったものの、グラウンドではあくまで選手だっため、特別アドバイスを求める機会などはなかった。しかし、美しいスイングはあらゆる打者にとっての理想。立岡を指導していた清水打撃コーチからは「由伸は崩されて変な空振りはしない。常に自分の形で振っている」とお手本にされていた。

 井端の場合は、春季キャンプでの早出特守。自主的に行っていたものだが、徐々に若手内野手も見習うようになった。川相ヘッドコーチによれば、井端がここで鍛えていたのは守備力だけではないという。「あの時期にたくさんノックを受けておくことで下半身が安定し、粘りが出て打撃にもいい影響が生まれる。落合さん(現中日GM)も現役時代はバットを握る前にノックばかり受けていた」と川相コーチ。執拗なまでの右打ちを試みることもあれば、ここぞで内角球を思い切り引っ張る。相手にとっては、この上なく厄介な打撃。その下地は春先につくられていた。

 来季から高橋由は監督に就任する。井端も内野守備走塁コーチへの就任要請を受ける可能性が高い。キャラクターの全く異なる40歳コンビが、指導者として巨人に吹き込む新たな風を楽しみにしたい。 (大林 幹雄)

続きを表示

2015年10月25日のニュース