秋山 球団シーズン最多193安打 02年稼頭央に並んだ

[ 2015年9月6日 05:30 ]

<ロ・西>3回無死、秋山は中前打を放つ

パ・リーグ 西武6-0ロッテ

(9月5日 QVC)
 笑顔を見せたのは、勝利の瞬間だけだった。西武の秋山が今季193安打目を放ち、02年に松井稼(現楽天)がマークした球団のシーズン最多安打記録に並んだ。

 「光栄ということしかないです。稼頭央さんの球団記録に並べたのはうれしい。ですが、まだまだ先がある」

 2年ぶりのCS進出に向け、3位争いを繰り広げるロッテとの第2戦。6回の第4打席だった。藤岡が低めに投じた140キロ直球を、逆方向の左前にはじき返した。見逃せばボールだったが、巧みなバットさばきで安打にした。126試合目での193安打は、阪神のマートンが10年に樹立したプロ野球記録のシーズン214安打を上回る219本ペース。まずは球団の顔だった先輩に並び、史上6人目の200安打にあと7本とした。

 「稼頭央さんはトリプルスリーも達成された。打つだけではなく、守備を含めて身体能力の高いスター選手。僕が比較できる存在じゃない」。だが、素質は引けを取らない。ルーキーだった11年、当時楽天監督の星野仙一氏(現シニアアドバイザー)が、八戸大からプロ入りしたばかりの秋山を見て、思わず漏らしたという。「こんなに良い選手が東北にいたのに、うちのスカウトは何をやっていたんだ…」。松井稼にほれ込み「チームを変えることができる」と楽天に誘ったのが星野氏。その闘将をもうならせるほどの走攻守三拍子が、秋山にもあった。

 負ければ自力でのCS進出の可能性が消滅する一戦で、1―0の3回には中前打を放ち、2点目のホームを踏んだ。今季59度目のマルチ安打でけん引。チームは6―0の大勝で、4位・ロッテとのゲーム差を1に広げた。「3位争いをしている中で勝てた。(勝利につながる)ひとつのプレーになっていけばいい」。勝利への貪欲さが、個人記録につながっている。 (神田 佑)

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月6日のニュース