“決勝男”清宮 復調気配 特大ファウルにどよめき「慣れてきた」

[ 2015年9月6日 05:30 ]

<日本・キューバ>3回1死一塁、清宮は右前打を放つ

U―18W杯スーパーラウンド最終戦 日本9―0キューバ

(9月5日 甲子園)
 既に決勝進出を決めていた日本は、スーパーラウンド最終戦でキューバに9―0と快勝して無傷の8連勝を収めた。打線が13安打と活発で、「4番・DH」の清宮幸太郎内野手(1年=早実)は4打数1安打1四球。6日の米国との決戦へ、調子が上向いているところを示した。リトルリーグ世界一に始まり、調布シニア、早実でも決勝で結果を出し続けてきた男が、日本に大会初優勝をもたらす。

 前日の韓国戦で沈黙を破って9打席ぶりに安打した4番が、上り調子を再び主張した。清宮は3回1死から安打の勝俣を置き、スライダーを捉えて一、二塁間を破った。安打は1本のみだったが、4回は痛烈な当たりの中飛。7回の最終第5打席では右翼へ特大ファウルを放って球場をどよめかせた。「ミスショットが多くてヒットは出ていないけど、落ち着いて打席に入れている。バットがスムーズに出るようになってきた。いい感じで雰囲気がつかめてきた」と手応えを口にした。

 8月31日の1次ラウンド・チェコ戦で訴えた左膝違和感は消え、テーピングを施すこともなくなった。普段の高校野球にはないDH起用にも、ようやく適応してきた。

 「いつもは打てなくても守備で切り替えていたので、最初はリズムがつかみづらかった。でも試合を追うごとに慣れてきた。打てなかったら、悔しさは一度置いてベンチで声を出すことで発散できるようになった」

 頂上決戦で何か起こしてくれそうな予感を漂わせる。とにかく決勝に強い。東京北砂リトル時代の12年8月にはリトルリーグの世界一になり、調布シニアでは昨年夏に全国選抜大会を制した。そして、早実の怪物ルーキーとして高校球界に出現した今夏。甲子園切符を決めた西東京大会決勝は、5点差大逆転勝利に適時打で貢献した。

 リトル時代以来、自身2度目の世界一へあと1勝。「あの時は自分が投手というのもあって、全然いけるでしょ、みたいな感じがあった。でも今回は自分の力だけでというわけにはいかない。前回(大会)も負けているしアメリカは宿敵。良い場面で回ってきたら、しっかりチームのために打ちたい」。千両役者の本領発揮の時が来た。 (松井 いつき)

 ≪清宮決勝アラカルト≫

 ☆東京北砂リトル時代 12年8月の「第66回リトルリーグ世界選手権」決勝で米テネシー州代表を12―2で下して世界一。投げては先発で4回1安打8奪三振1失点、打っては初回の先制右前打など2安打を放った。

 ☆調布シニア時代 14年7月に「林和男旗国際野球大会兼東北地区連盟創立40周年記念全国選抜野球大会」に出場。コボスタ宮城で行われた長崎海星との決勝では右越え2ランを放ち、13―2の勝利に導いた。

 ☆早実 今夏の西東京大会決勝(7月26日、神宮)で0―5の8回に8得点して東海大菅生に逆転勝ち。7点目の適時打を放ち、西東京大会を通じて20打数10安打10打点の活躍で5年ぶりの甲子園出場に貢献した。

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