早出特打効果だ!巨人 自力V復活 坂本で41イニングぶり適時打

[ 2015年8月29日 05:30 ]

<巨・中>4回無死一、二塁、坂本は先制の左前適時打を放つ

セ・リーグ 巨人7-0中日

(8月28日 東京D)
 5連敗中の重くよどんだ空気を振り払った。4回無死から立岡、片岡の連打で一、二塁。巨人・坂本はフルカウントからの145キロを叩き、左前へ先制打を放った。

 「何とか一本打っていい形でつなぎたいと思っていたので、打ててよかった。“強気な姿勢が大事だ”と監督からも言われていた」

 これがチーム41イニングぶりの適時打で、23イニングぶりの得点。3日前から三塁コーチを務める川相ヘッドコーチの腕がグルグル回るのも初めてだった。

 坂本は前夜のヤクルト戦(神宮)で、7回に痛恨のけん制死。自力優勝の可能性が消滅し「悔しい思いをしていた」。この日はその坂本を含め、片岡、阿部、長野、アンダーソン、村田、亀井の主力7人が早出特打を敢行した。 この回、さらにアンダーソンの2点適時打、村田の9号3ランと「早出組」で一挙6点のビッグイニングをつくった。原監督は「まさに久々。いい形でつなぎ、長打もというね。理想的ですね」とうなずいた。

 5連敗中は15打数2安打、前日までのヤクルト3連戦でも8打数無安打だった坂本は、5回にも左前適時打、7回にも右前打を放って猛打賞。25日にはトリプルスリーと3冠王を射程圏に捉えるヤクルト・山田にバットをおねだりし、翌26日のフリー打撃で試し打ちした。「ちょっと使ってみました」。シーズン終盤でも試行錯誤を続ける姿勢が結果に表れた。

 チームは中日戦通算1000勝をマーク。伝統球団のリーダーを担う主将は8回から、ルーキーの岡本と三遊間を組んだ。自身も高卒1年目の07年にデビュー。「初々しい感じを見ていたら刺激になる」と話し「これからいろいろ教えていけることがあると思う」とサポート役も買って出た。

 対象チームの広島が敗れたことで、一夜で自力優勝が復活。投打がかみ合っての快勝にも原監督は「10試合に1回くらいこういうことをやっていたんじゃいけない」と残り23試合を見据えた。

 坂本も思いは同じ。「きょうはきょうで終わり。またあしたから、しっかりできるように」。まだまだ逆襲への一歩にすぎない。 (大林 幹雄)

 ≪自力V復活≫巨人が勝ち広島が敗れたため、巨人の自力優勝が復活した。巨人が広島戦2試合を含む残り23試合に全勝で83勝59敗1分けの勝率.585。広島が巨人戦以外の28試合に全勝した場合の82勝60敗1分け、勝率.577を上回る。残り試合数の差で、4位の広島に対し自力優勝が消える逆転現象が発生していた。

 ≪通算1000勝≫巨人が中日戦今季11勝目を挙げ同カード通算1000勝を達成した。通算成績は1000勝806敗54分け。初勝利はプロ野球創設年の36年11月5日(上井草)で4―2。プロ野球の同一カード1000勝は、巨人が今年4月4日阪神戦で到達(現在1012勝)したのに次ぎ2カード目となった。

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