トップ大谷に1差!涌井 5年ぶり10勝 足つりそうになるも志願続投

[ 2015年8月15日 05:30 ]

<オ・ロ>10勝目を挙げた涌井(中央)とデスパイネ(左)を迎える伊東監督

パ・リーグ ロッテ3-2オリックス

(8月14日 ほっと神戸)
 5年ぶりの2桁勝利に到達しても、ロッテ・涌井はいつものポーカーフェースだった。「先発投手として、最低でも2桁は勝たないといけないですからね」。7回6安打2失点。試合終盤に打線の援護をもらっての逆転勝ちとあって「自分で勝ったというより勝ちをつけてもらった」と感謝の言葉を口にした。

 苦しい試合だった。初回にいきなり1失点。3回にも2安打を許して1点を失った。だが、エースのプライドにかけて大崩れはしない。「取られても1点で抑えていけばいい」と4回以降は走者を出しても得点を許さない。6回には右足がつりそうになったが、ベンチに戻ると静かに「まだいけます」と続投を志願した。その気迫が終盤の逆転劇を生み、チームの連敗は3でストップ。3位争いを続ける中、貴重な白星をもたらした。

 7月24日の楽天戦(コボスタ宮城)から自身4連勝となった。7日のソフトバンク戦(QVCマリン)で9勝目を挙げた直後には「次で2桁勝利を決めます。リーチ一発ね」と宣言していた。これで日本ハム・大谷にあと1勝に迫るリーグ2位の10勝。最多勝争いにも名乗りを上げた。

 2月の石垣島キャンプ中、チーム宿舎内でカラオケを楽しんでいた伊東監督の部屋にアポなしで乱入した。マイクを手に取り、今季の目標を「最多勝」と言い切った。「理想は完封。最後までゼロ。次からは自分の力で勝っていきたい」。07、09年と最多勝に輝いた有言実行の右腕が、6年ぶりのタイトル獲得を射程に捉えた。 (重光 晋太郎)

 ▼ロッテ・伊東監督 涌井が我慢しながらよく投げてくれた。4番が打てばこういう試合になる。久しぶりにいい形で勝てたね。

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