日生4強!藤井貴 右足負傷も魂のKK締め 12回タイブレーク制す

[ 2015年7月27日 05:30 ]

<日本生命・トヨタ自動車>4強一番乗り!4回途中から救援し無失点に抑えた日本生命・藤井貴

第86回都市対抗野球第9日・準々決勝 日本生命4―2トヨタ自動車

(7月26日 東京D)
 2回戦2試合と準々決勝1試合が行われた。日本生命(大阪市)は、4回途中から登板した2番手の藤井貴之投手(27)が快投。トヨタ自動車(豊田市)打線を2安打無失点に封じ込めて延長12回タイブレークの末、下して4強一番乗りを果たした。三菱重工広島(広島市)、NTT西日本(大阪市)がそれぞれ8強入り。また、東芝(川崎市)が敗れて関東勢は全て敗退。関東勢が1チームも8強に進出できないのは史上初となった。

 最後はこの試合最速、145キロの直球だった。藤井貴の92球目。先制2ランを放っていたトヨタ自動車の主砲・木下のバットに空を斬らせた。延長12回1死満塁のタイブレーク。2点勝ち越して迎えた直後のマウンド。2者連続三振で締めた右腕は「必死でした。1点は取られてもいいと思って投げた」と汗を拭った。

 絶対的エースの佐川が捕まり、4回途中からのロングリリーフは鬼気迫る投球だった。右足首はテーピングで固めていた。10回、一塁ベースカバーの際に打者走者に踏まれてベンチで治療を受けた。十河章浩監督は降板も考えたが、本人が「行きます」と宣言。約4分間の中断後、マウンドに戻ると後続も断った。結局8イニングを2安打無失点で投げきった。

 気持ちも強いが技もある。タイブレーク最初の左打者を1ボール2ストライクと追い込んだ。最後は外角のボールからストライクになる宝刀スライダーで空振り三振。「格好良く言えば“バックドア”ですかね」。会心の投球を振り返った。

 同大から入社5年目。なかなか結果を残せず、マウンドで考え込んでいらつく姿をコーチらにとがめられたこともあった。先輩の佐川から冷静な投球を学んだ。「佐川さんが粘り強く投げているのを近くで見ている」。大事な一戦でその佐川の窮地も救って恩返しした。

 チームは優勝した97年以来の4強進出。「やっとチームに貢献できた」。藤井貴が最高の笑みを浮かべた。 (君島 圭介)

 ◆藤井 貴之(ふじい・たかゆき)1988年(昭63)5月29日生まれ、大阪府出身の27歳。枚方市のキングシャイアンスで小2から野球を始める。小6から投手。天理2年の春夏、3年夏に甲子園出場。巨人・小林は同大、日本生命で1学年後輩。1メートル85、85キロ。血液型O。

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