ソフトB 優勝するための1敗サファテは「きょうは休ませた」

[ 2015年7月27日 05:30 ]

<ソ・オ>延長でオリックスに敗れ、頭をかく工藤監督

パ・リーグ ソフトバンク1-5オリックス

(7月26日 ヤフオクD)
 優勝するためには必要な1敗だった。9回に追いつき、1―1でもつれ込んだ延長11回。ソフトバンク・工藤監督は寺原―森―五十嵐とつないだバトンを森福に渡した。セオリー通りならば絶対的守護神サファテの出番だ。だが、この日のブルペンに背番号58の姿はなかった。

 「サファテは登板数が多いからね。きょうは休ませた。残りのメンバーでいってもらった」。試合前、指揮官は後半戦の全4試合に登板した守護神を完全休養させる決断を下していた。11回1死一塁。打ち取った飛球が左翼・中村と遊撃・今宮の間にポトリと落ちる不運もあり、森福は4連打で4失点し、継投は失敗した。

 ただ、打たれた中に先を見据えた挑戦があった。現在は森、五十嵐、サファテで形成する勝利の方程式。そこに左の森福を加える可能性を探った。「(森福は)右打者への外のツーシームを練習していた。本人も右に投げたいということだったし試す機会だった」。ワンポイントだけではなく、1イニングを任せるためのテスト。失敗に終わったものの、新たなチャレンジをすることで、そこから戦う力が生まれることもある。

 連勝は5で止まった。昨季から11連勝中だった「鷹の祭典」のファイナルも飾れず、4月26日の西武戦(ヤフオクドーム)以来の日曜日連勝も11で止まったが、指揮官の表情は明るい。「(サファテが)バテたら1週間や10日では済まない」。急がば回れ。これぞ工藤流だ。目先の1勝にこだわらない選択は最後の至福の瞬間への近道だった。 (福浦 健太郎)

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2015年7月27日のニュース