花火大会パ~…栗山ハムごめんね12回勝ち 長過ぎ5時間37分

[ 2015年5月22日 05:30 ]

<楽・日>試合後に予定されていた花火大会の中止を伝えるビジョン

パ・リーグ 日本ハム9-5楽天

(5月21日 コボスタ宮城)
 日本ハムは21日、今季両リーグ最長、パ・リーグ歴代4位となる5時間37分の激闘の末、楽天に競り勝ち、2位に浮上した。中島卓也内野手(24)が、延長12回の決勝2点適時内野安打を含む自身初の5安打をマークした。この日は楽天が試合後に「第1回楽天イーグルス花火大会」を予定し、午後4時の試合開始だったが、同9時を回った時点で開催が中止に。2000発の花火は幻となった。

 精根尽き果てていた。今季両リーグ最長5時間37分の死闘を制した栗山監督は試合直後、「もう駄目だ…」と息を吐いて、壁に全体重を預けて寄りかかった。

 「きょうは本当に勝たなくてはいけない試合だった。点を取るためのイメージの中には、リスクを冒してサインを出さないと駄目だった。そんな中で選手が結果をよく残してくれた。やっている方は長く感じないが、もう考えすぎて俺の脳には糖分がゼロだよ」

 延長11回に中島のスクイズで勝ち越しながら、その裏に6番手・ガラテが牧田に左犠飛を許して再び同点。今季初のドローも頭によぎったが、12回1死一塁で途中出場の飯山がバスターエンドランを決めてチャンスを広げる。その後、2死満塁となり、フルカウントまで粘った中島が決勝の二塁内野安打。三塁走者に続き、二塁走者の飯山も生還した。指揮官は選手を最後まで動かし続け、激闘をものにした。

 プロ7年目で自身初の5安打をマークし、3打点、2盗塁と大活躍した中島も「最後まで集中していたが、本当に疲れた」と笑みをこぼすことはなかった。全てを出し尽くしたからだ。

 この日は、楽天が試合終了後に「花火大会」を予定していたため午後4時の試合開始。ところが、今季両リーグ最長のロングゲームとなったために、まさかの開催中止に。これには栗山監督も目を丸くした。「えー、マジ。時間を早めた意味がなくなっちゃったね」と絶句し、12回にトドメの中前2点適時打を放った4番・中田も「長い試合を勝ててよかったけれど、花火を楽しみにして来てくれた人には申し訳ないね」と苦笑いを浮かべるしかなかった。

 それでも首位争いを繰り広げるチームにとって、目先の1勝は何よりも大きい。22日からはソフトバンクとの首位攻防3連戦(札幌ドーム)が始まるが、今季初の延長戦勝利に栗山監督は「あすからの試合はもちろんターゲットにしているが、まずは一つの試合に必死にならないといけない」と、余力を残すつもりなどなかった。野手の先発メンバーで、30歳以上は田中とハーミッダだけ。若いチームだからこそ、こんな厳しい戦いが選手の成長を促していく。

 ≪パ歴代4位の長時間試合≫楽天―日本ハム戦は今季両リーグ最長の5時間37分。パでは13年9月4日の日本ハム―ソフトバンク戦の6時間1分)を筆頭に歴代4位の長時間試合。楽天にとっては05年6月26日西武戦の5時間29分を抜く球団最長記録になった。なお、プロ野球記録は92年9月11日阪神―ヤクルト戦の6時間26分、交流戦は07年6月14日の日本ハム―横浜戦の5時間53分。

 ▽第1回楽天イーグルス花火大会 場内の照明を消し、2000発の花火を用意。隣接する仙台市陸上競技場から打ち上げを予定していた。ファンは試合終了後、グラウンドに下りて花火を楽しむことが可能。楽天選手のテーマ曲に乗せて打ち上がる、選手カラーの花火も準備していた。試合終了から花火開始までの20分間は、和楽器オーケストラ「AUN J CLASSIC ORCHESTRA」の演奏も企画されていた。

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