阪神ドラ1横山 凄すぎ快投!和田監督「次も使いたい気持ちになる」

[ 2015年5月22日 05:30 ]

<神・巨>巨人打線相手に力投する横山

セ・リーグ 阪神2-1巨人

(5月21日 甲子園)
 勝ちに等しいピッチングや! 阪神のドラフト1位・横山雄哉投手(21)が21日の巨人戦(甲子園)でプロ初登板初先発し、7回6安打1失点の快投を披露した。初勝利こそお預けとなったものの、逆転勝利を呼び込んだ立役者。高校時代は打ち込まれて苦い思い出しかなかった聖地で躍動し、救世主誕生を予感させた。

 「一球入魂」を胸に、故郷に快投を届けた。1軍昇格が決まった17日夜、横山は真っ先に母校・山形中央の庄司秀幸監督の携帯電話を鳴らした。

 「県民の方に届くように、魂を込めて、1球、1球投げてきます!」

 高校時代に2度たどり着いた甲子園では、ともに打ち込まれて涙した。「甲子園が嫌いになったとかはないですけど、最初はボールを置きに行って、2回目も空回りして…悔いが残る」

 あの時とは違う-。リベンジの思いも込めて向かったマウンドで、力の限り腕を振った。

 「すごく緊張した」という初回はわずか9球で3者凡退に抑える最高のスタートを切った。3回まで無安打投球。5回2死二、三塁では大田を146キロ直球で空振り三振に斬り「出ちゃいました」と雄叫びをあげた。4月25日の2軍交流戦で巨人と対戦したときは3回1/3で9失点KOし、大田には本塁打も食らっていたがリベンジ成功だ。6回2死二塁でアンダーソンに左中間二塁打されて先制を許したが、7回1失点。プロ入り最速タイとなる149キロを計測するなど輝きを放った。

 「しっかり腕を振ることができたし、気持ちを乗せたボールを投げられたと思う」

 山形から両親、中学時代のチームメートも駆けつけた中での力投に「はるばる両親、地元の友達も来てくれた。元気に投げてる姿を見せられて良かった」と笑った。恩師にも誓った「魂の投球」を体現できた気がした。

 左胸鎖関節の炎症で2軍キャンプスタートだったが、気持ちはずっと前を向いていた。キャンプ中は新日鉄住金鹿島で先輩だった石崎に、毎日のように電話して1軍の練習メニューや雰囲気を聞いた。好奇心旺盛な21歳は「(憧れの)能見さんは、僕の話題とかしてなかったですか?」と質問したこともあった。

 「いろいろ聞いて、イメージもできましたし、自分のモチベーションもさらに上がった」

 石崎が3月のオープン戦で昨年、日本一となったソフトバンクと対戦すると、右腕が選手寮に帰って来るのを夜まで待って部屋に駆け込み「内川さん、松田さんはどんなバッターですか?」と“取材”。1秒たりとも、無駄にせずプロのレベルを体感しようとした。

 和田監督からは「これを見せられたら次も使いたい気持ちになる」と次回のチャンスもつかみ取った。「これからどんどん分析されると思うけど、勝負していきたい」。無限大のポテンシャルを示した夜だった。

 ▼阪神・中西投手コーチ(先発・横山について)直球に力があった。カーブでうまく緩急が使えていたし、変化球でストライクも取れる。何より7回を投げたことが大きい。勝利投手に値するピッチングだった。次(の先発)?当然、当然。

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