呉昇桓 炎の10連投!8回2死一、二塁から完璧火消し

[ 2014年10月18日 05:30 ]

<巨・神>5番手として登板し、4人を完全に抑えた呉昇桓

セ・リーグCSファイナルS第3戦 阪神4-2巨人

(10月17日 東京D)
 ピンチを迎えたはずが、阪神ファンの陣取る左翼席から大歓声が湧き起こった。2点リードの8回。松田が2死一、二塁とされると、和田監督は迷わずベンチを出て球審に告げた。「ピッチャー・呉昇桓(オスンファン)」。絶対的な守護神の出番は早く来た。

 「みんなしんどい思いをしているし、自分の中では問題ない」。広島とのファーストS初戦から全5試合に登板。レギュラーシーズンを含めると10戦連投で、さすがに「記憶にない」と言ったが、疲労の心配を一蹴する圧巻の投球を見せた。代打・セペダに6球オール直球勝負。力でねじ伏せ、左飛に仕留めた。イニングまたぎとなった9回も自慢の「石直球」が力強さを増す。井端、長野を連続三振。亀井には最速151キロをマークし、大和の好守もあって中飛に打ち取った。眉一つ動かさず、20球の完全救援。3試合連続セーブで、CS同一ステージの最多セーブ記録に並んだ。

 広島とのファーストS第2戦では来日初の1試合3イニングを投げた。試合後に同僚から「日本でキャリアが終わるわけじゃないんだから、無理しなくていいのでは」と気遣われたが、首を振って言った。「いや、俺は投げるんだ」。韓国サムスン時代は在籍9年間で5度の韓国チャンピオンに導き、韓国記録となるポストシーズン通算13セーブをマーク。クローザー一筋の男のプライドだった。

 連投も、回をまたいでの投球も意に介さない守護神を、和田監督も「スピードも球の質も落ちず、本当に頼もしい」とあらためて称えた。18日の第4戦もマウンドに立つ。胴上げ投手になる歓喜の瞬間について聞かれると、「体が反応するものだから分からないよ」。表情ひとつ変えない「石仏」が、珍しく照れくさそうに笑った。

 ≪チーム10試合に全て登板し無失点≫呉昇桓(神)がファイナルS初戦から3試合連続セーブ。CSの同一ステージ3セーブは05年第2S小林雅(ロ)、07年第2S岩瀬(中)に次いで3人目。3試合連続セーブは前記岩瀬が第1~3戦でマークして以来2人目になる。これでレギュラーシーズンの9月26日広島戦から最終5試合、CSではファースト2試合、ファイナル3試合とチーム10試合に全て登板し無失点。この間14回1/3を投げ被安打は単打のみの3本。奪三振は毎試合の16個(奪三振率9・82)と力投を続けている。

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2014年10月18日のニュース