日系4世が決めた!青木 ワールドシリーズ相手はジャイアンツ

[ 2014年10月18日 05:30 ]

<ジャイアンツ・カージナルス>9回1死一、二塁、サヨナラ3ランのイシカワ(右)は両手を広げてベースを一周(AP)

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦 ジャイアンツ6―3カージナルス

(10月16日 サンフランシスコ)
 ロイヤルズ・青木の相手は決まった。ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦が行われ、ジャイアンツがカージナルスに6―3でサヨナラ勝ちし、4勝1敗で2年ぶりのワールドシリーズ(WS)進出を決めた。近代野球とされる1900年以降では20度目のWS出場となる。3―3の9回に日系4世のトラビス・イシカワ外野手(31)が右越えに3点本塁打を打ち込んだ。21日(日本時間22日)に開幕する頂上決戦で同じくワイルドカードから勝ち上がった青木宣親外野手(32)擁するロイヤルズと対戦する。

 劇的な幕切れだった。3―3の9回1死一、二塁。曽祖父が日本人の日系4世のイシカワが右翼席へ運んだ。サヨナラ本塁打でワールドシリーズ出場を決めたのはナ・リーグ史上初の快挙で、「このチームは絶対に諦めない。自分もその一員だ」と感涙にむせんだ。

 イシカワは2006~10年にジャイアンツに所属。その後は複数球団を渡り歩き、13年には1週間だけヤンキースでプレー。シアトル出身で地元のマリナーズでプレーするイチローの大ファンだっただけに、サインボールももらったという。今季は自身5球団目となるパイレーツで開幕を迎えたが、4月中旬に解雇され、マイナー契約で古巣に拾われた。7月下旬から左脇腹痛のモースの代役を務め、ポストシーズンでも勝負強さを買われて先発。今シリーズ第1戦でも先制打を放った。

 ブルース・ボウチー監督も「イシカワは大仕事をやってくれた。彼のここまでの苦労した物語を考えると、本当にうれしい」と喜んだ。ワールドシリーズの相手はロイヤルズで、ワイルドカード同士による顔合わせは02年以来12年ぶり2度目。ブルワーズ時代の12年は青木とともにプレーしたイシカワは「彼も頑張っているね」と、最高峰の舞台での元同僚との再会を心待ちにした。

 ▼ジャイアンツ・バムガーナー(今シリーズMVPを獲得)ロイヤルズに勢いはあるが、自分のやることは同じ。全力で打者を抑える。

 ◆トラビス・タカシ・イシカワ 1983年9月24日、ワシントン州シアトル市生まれの31歳。日本名・石川隆。02年にジャイアンツからドラフト21巡目(全体637位)で指名され、06年にメジャーデビュー。メジャー通算は444試合で、打率・259、22本塁打、129打点。1メートル90、99キロ。左投げ左打ち。

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