【元横浜高部長・小倉氏 この選手が凄い】伸びしろ感じる前橋育英・光成

[ 2014年10月18日 09:00 ]

前橋育英・高橋光成

高校生投手編

 23日のドラフト会議を前に、高校、大学、社会人の名将が注目選手を紹介する「この選手が凄い」。今年も投手、野手に分けて1人2回ずつ計6回にわたり掲載します。高校編は元横浜高野球部部長で、松坂大輔(メッツ)や涌井秀章(ロッテ)らを育てた名伯楽・小倉清一郎氏(70)。第1回は昨夏甲子園で対戦した高橋光成投手(前橋育英)を中心に投手を語った。

 今年の高校生は松坂世代とかダルビッシュ・涌井世代みたいな力はないけど、伸びしろを感じさせる投手はいる。

 それを一番感じるのは高橋。去年の夏に甲子園で対戦したけど、その時は140キロ程度で大したことはなかったから打てると思ったんだよ。負けたけどね。それが3年になってスピードが出てきた。日本代表にも入ったし、面白い存在になると思う。セットの時にクセもあったからプロでは直されるかもしれないけど、フォークを決め球として持ってるのも大きいね。

 あとはプロに行ったらけん制やクイック、フィールディングも大事。これからしっかり磨いた方がいい。オレは松坂や涌井とかプロに行くような投手には徹底的にそれを教えてきた。松井裕(現楽天)も高校の時はあまりうまくなかったけど、プロに入って磨いているみたいだから。

 速さなら安楽智大(済美)。スピードボールを投げられるのは素質だから。プロでも通用する。投げ方も悪くないし馬力がある。あとは真っすぐ以外でカウントを取る球がどのくらいあるか。それと右肘の状態次第だと思う。本格派と言われる松本裕樹(盛岡大付)は打者の方がいい。バットコントロールもあるし、変化球も崩されながら拾える。投手としてなら生きた球がきちんと放れるかが大事。切れと伸びがもっと必要だね。

 素材なら同じ神奈川で戦った佐藤雄偉知(東海大相模)もいい。時間はかかるだろうが、育ってほしい。佐野皓大(大分)や小野郁(西日本短大付)も評判がいいんだってね。飯塚悟史(日本文理)は4、5年はかかると思うが、どう成長するか興味あるね。

 ◆小倉 清一郎(おぐら・きよいちろう)1944年(昭19)6月16日、神奈川県横浜市生まれの70歳。横浜―東農大を経て三菱自動車川崎、河合楽器でプレー。現役引退後、東海大一(現東海大翔洋)、横浜商、横浜で監督、部長を歴任。今夏限りで横浜のコーチを退任した。

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