原巨人 M16再点灯!15年ぶり甲子園3連勝「運もあった」

[ 2014年9月12日 05:30 ]

<神・巨>甲子園3連勝!巨人ナインを出迎える原監督(左)と沢村

セ・リーグ 巨人6-2阪神

(9月11日 甲子園)
 巨人は11日、リーグ3連覇へのマジックナンバー「16」を再点灯させた。同日の阪神戦で初回に亀井善行外野手(32)、村田修一内野手(33)の連続2点適時打で4点を先制し、そのまま逃げ切った。今季レギュラーシーズン最後の伝統の一戦を制し、今季の阪神戦の勝ち越しが決定。甲子園での3連戦3連勝は実に15年ぶりとなった。2位広島とは4ゲーム差となり、5日に一度は消えた優勝マジックが復活。歓喜のゴールがはっきりと見えてきた。

 宿敵阪神に、現状の力量差をまざまざと見せつけた。15年ぶりとなる甲子園での3連戦3連勝。阪神とは逆に9月に入って7勝2敗と加速する原監督は切り出した。

 「(初回は)この上ないスタートだった。たくさんのチャンスはない中で(打線が)つながっている。なかなか甲子園で3連勝はないですから。運もあったと思います」

 初回。能見に対し、1死から橋本が死球。坂本、阿部は低めの球を見極めて連続四球を選んだ。3四死球で満塁。能見がストライクゾーンへと投じなければならない状況をつくり上げた。亀井は高めに浮いたスライダーを右前へ2点先制打。「ボール球だけは振らないように。相手(能見)も苦しそうにしていたので」と言った。さらに二、三塁から2点左前打を放った村田は「打てるボールを絞った」。変化球の制球がつかないため、速球を待った。線でつながった4点だった。

 打席の中で何ができるか。その状況判断は、シーズン序盤から激しく動く原采配の中で植えつけられた。村田も「いつ、どんなサインが出てもいいように準備している」と話す。中軸であろうとバントやエンドランがある。打順も日替わり。そんな変化への対応は、選手の集中力を確実に高めてきた。

 99年の甲子園3連戦3連勝。当時、主力で第3戦で先制弾と決勝犠飛を放った村田打撃コーチは「そんなに昔のこと覚えていないよ」と笑いながらも「選手たちは打席で我慢して、集中して戦ってくれている」と目を細めた。松井秀喜や高橋由が豪快なアーチを重ねた当時の爆発力はないが、四球や単打でつなぐ意識、得点のバリエーションは格段に増えている。

 阪神にはシーズン中盤まで苦戦を強いられたが、8月以降の3カードで7勝2敗と圧倒し、勝ち越しを決めた。クライマックスシリーズ(CS)での再戦にも、心理的に大きく優位に立った。

 リーグ一番乗りで70勝に到達し、貯金も今季最多の17。2位広島とのゲーム差を4に広げ、優勝マジック「16」が再び点灯した。

 リーグ3連覇にまた一歩近づいても、指揮官は「一戦一戦の積み重ねだと思っています」。ゴールテープを切るまで心の隙を見せることはない。

 ▼巨人・橋本(6回にダメ押しの2点適時二塁打)試合が硬直していたので、展開的にも楽になるタイムリーだった。

 ▽99年7月の巨人甲子園3連戦3連勝 3年ぶりV奪回を狙う巨人は長嶋茂雄監督、阪神は同年からチーム再建を託された野村克也監督が指揮した。それまで巨人の8勝7敗とほぼ互角だったが、16日はまずガルベスが5安打完封。17日は高橋由、松井がともに2打席連発と主軸の活躍で11得点。18日は新人の上原が自身8連勝となる12勝目を完投で飾り、巨人が3連勝を飾った。

 ▼巨人・斎藤投手コーチ(2戦目に先発して勝利)そうなの?覚えてないなー。でも巨人対阪神は特別な盛り上がりがあったし、甲子園のマウンドは投げやすくて大好きな球場の一つだったよ。

 ≪15年ぶり≫巨人が甲子園で阪神に3連戦3連勝。同カード今季最終戦で3年連続の勝ち越しを決めた。巨人の対阪神3連戦3連勝は、13年8月27~29日(東京ドーム)以来。敵地甲子園に限ると、99年7月16~18日以来15年ぶりとなった。

 ≪最短Vは20日≫巨人が勝ち唯一自力Vの可能性を残していた広島が敗れたため、巨人に優勝マジック16が再点灯した。広島が残り19試合に全勝すると85勝57敗2分けの勝率・599。巨人は広島戦残り4試合に敗れても他のカード16試合で全勝すれば86勝57敗1分けの勝率・601となり広島を上回る。なお、現日程での最短優勝は20日。

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