稲葉 号泣ラスト東京D ソフトBファンもジャンプ「こみ上げた」

[ 2014年9月12日 05:30 ]

<日・ソ>東京ドームでの現役最後の試合を終え涙しながら栗山監督(左)と握手する稲葉

パ・リーグ 日本ハム7-2ソフトバンク

(9月11日 東京D)
 熱いものが込み上げる。もうこらえ切れない。最後の東京ドーム。日本ハム・稲葉は栗山監督から声を掛けられ、大粒の涙をこぼした。

 「東京ドームには、いろんな思い出があり過ぎて…。これで最後なんだなあと。監督の言葉で我慢してたものが一気に噴き出してしまった」

 試合後。指揮官からこう言われた。「イナ(稲葉)、ありがとう。若い選手に、こういう応援をしてもらえる姿を見せたかったんだ」。敵も味方もない。2万6680人の観衆が一つになった。8回1死無走者。「代打、稲葉」のコールに地鳴りのような大歓声が沸き起こる。そして「稲葉ジャンプ」。右翼席の日本ハムファンだけではなく、左翼席のソフトバンクファンも一緒になって球場で跳びはねた。中飛に倒れても拍手はやまない。今季限りでバットを置く大打者へ野球ファンから感謝の印だった。

 思えば95年のプロ入りから20年。東京ドームには数々の思い出を刻んできた。ヤクルト時代、野村克也監督から「ここで活躍すればテレビに映るぞ。巨人を倒せ」と言われた。日本ハム移籍後は09年4月8日のロッテ戦で3打席連発、2000安打を達成した12年の1999安打目の決勝アーチもここだった。ファンも知っている。だから試合後、同球場の今季最終戦セレモニーでも再びジャンプでスタンドを揺らした。その光景に、42歳のベテランは「うれしくて。こみ上げてきました」と感極まった。

 でも、まだ終わりではない。残り19試合。「日本シリーズで(東京ドームで)戦えるかもしれない。最後の最後までユニホームを着ていたい」。その時まで全力で駆け抜ける。

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