オリ 2安打零封リレー 打球直撃の東明交代に奮起

[ 2014年5月30日 05:30 ]

<中・オ>6回、大島の打球を右手首付近に受けた東明(左)

交流戦 オリックス3-0中日

(5月29日 ナゴヤD)
 絶対的ヒーローはいない。連敗ストップの原動力はチームとしての総合力だった。打線は緻密な野球で得点を重ね、投手陣は5投手が2安打零封リレー。オリックスの森脇監督はかみしめるように話す。

 「勝つためには忍耐力と反発力が必要。それがついてきている」

 選手たちの確実な成長を感じさせる、価値ある辛勝だった。

 想定外のアクシデントに投手陣は結束した。両軍無得点の6回無死、そこまで無安打投球だった先発・東明が大島の打球を右手首に当てて降板。無死一塁から緊急登板した中山は奮い立った。

 「東明が頑張っていたし、絶対抑えてやると思って投げました」

 この回を無失点でしのぐと、直後の7回1死満塁からヘルマンの遊ゴロの間に先制。最少得点差を馬原、佐藤達が守り、3点差となった9回は平野佳が締めた。無念の降板となった東明は病院には行かず、アイシング治療をしながら試合を見守った。「先輩方はすごくいい投手。信頼して見ていました」と話し、中山には12年4月18日ソフトバンク戦(京セラドーム)以来の勝ち星が付いた。

 恒例となっているアップ後のあいさつ。この日は前日28日に8回3安打1失点ながら、今季初黒星を喫した西が立った。

 「昨日はピンチで踏ん張りきれず、すいませんでした。東明さん、今日は頑張って下さい!」

 隣に立つ東明は気合いに満ちた顔で声を聞いた。試合に投げる者だけではない。投手陣全体の思い、執念は次の日へ、次に投げる投手へと受け継がれている。

 連敗を2で止め、本拠地へと帰る。オリックスの強さの原動力。それは「絆」にある。

 ▼オリックス・中山(東明の負傷交代で急きょ登板。2年ぶりの白星)急だったけど、抑えることに必死で投げた。すごくうれしい。

続きを表示

2014年5月30日のニュース