広島 エルド2発で14年ぶりセ最速30勝 指揮官も最敬礼

[ 2014年5月30日 05:30 ]

<広・ロ>投打のヒーロー、前田健(右)とエルドレッドは笑顔でガッツポーズ

交流戦 広島5-3ロッテ

(5月29日 マツダ)
 悪夢を振り払う一発は自慢のパワーに技が加わった。初回1死一、二塁で広島・エルドレッドはロッテ・成瀬の失投を見逃さなかった。2ボールから外角高めに浮いたチェンジアップ。先制16号3ランは逆らわずに打ち、今季初めて逆方向の右中間に運んでみせた。

 「左の成瀬だったので右中間を意識して外に来るのを待っていた。芯に当てて強い打球を打てた」。前夜は交流戦首位のロッテに4点差を逆転された。嫌な流れを一刻でも早く断ち切る。エルドレッドは「チームに衝撃が必要」と自らに言いきかせ、初回の好機に集中していた。「いい先制点だったよ」。2試合連続で黒星が続いた前田健も「勇気づけられた」と感謝したように、力強く援護した。エースが1点を返された5回にも17号ソロ。2発目は得意の引っ張りで、左翼2階席奥の防球ネットに突き刺す130メートルの特大弾だった。

 自身にとっても、復活を印象づける2発だった。交流戦ではここまで7試合で27打数5安打、打率・185と低迷。この日はユニホームのズボンを今季初めて膝下まで引き上げ、ストッキングを見せるオールドスタイルでプレーした。「毎日、同じかっこうではつまらないから変えてみたんだ」。18日の巨人戦(東京ドーム)以来8試合、32打席ぶりの一発。気分的にリフレッシュし、最高の結果につなげた。

 独走する53打点に加え、本塁打もヤクルト・バレンティンを一気に抜き去り、2冠に躍り出た。チームも貯金を2桁に戻し、00年以来14年ぶりのセ・リーグ30勝一番乗り。野村監督は「先制本塁打が大きかった」と主砲に最敬礼した。

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2014年5月30日のニュース