西武 9カードぶり勝ち越し 32歳苦労人がドラマ呼ぶ同点打

[ 2014年5月5日 05:30 ]

<ロ・西>9回1死満塁から米野の左前2点適時打で同点走者の森本(右)が生還し栗山とハイタッチ

パ・リーグ 西武9-8ロッテ

(5月4日 QVC)
 32歳の苦労人が一塁で両拳を突き上げた。2点を追う9回1死満塁。「思い切って行ってこい!」と伊原監督の激励を受けた西武・米野は、開幕から無失点を続けていたロッテの守護神・西野の決め球フォークに必死に食らいつき、8球目の直球を左前に運んだ。2者が還り同点。このムードに乗って、続く炭谷が左前へ決勝打を放った。

 「何としてもつなぐというか、ランナーを還すというか…」。4月29日に1軍昇格したばかりのヒーローは興奮を隠すように冷静に振り返った。

 この日が今季初スタメン。3―0の3回2死一、三塁から放った右前適時打は、12年8月4日のソフトバンク戦以来、実に2年ぶりの安打だった。1点を追う5回1死満塁でも同点の右犠飛。計4打点の活躍に「悔いの残らないように集中力を持ってやろうと思った」と納得顔で話した。

 99年ドラフト3位でヤクルト入り。捕手として「古田の後継者」と期待された。だが、10年途中に西武にトレード移籍し、11年秋に外野手に転向。昨年はわずか3試合の出場だった。外野手登録だが、この日は「7番・一塁」。今季は捕手の練習も要請されたが「経験があるし、自分にもチャンス」と第3捕手としての準備もいとわない。

 4時間12分のシーソーゲームを制し、9カードぶりの勝ち越し。伊原監督は「本当に難産でした」と安どの表情を浮かべた。この試合、6番以降で8打点を挙げた。借金はまだ10。巻き返しには脇役の力も必要だ。プロ15年目の米野は「流れを変えられるような働きをしたい」と力強く語った。

 ▼西武・炭谷(9回に同点に追いつき、なお1死一、二塁から勝ち越しの左前打)細かいことは考えていなかった。無心でした。

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