則本 マー君とW夏男!7月以降貯金10 17日にも球団初M点灯

[ 2013年8月16日 06:00 ]

<ロ・楽>11勝目を挙げた則本(右)はジョーンズにハイタッチで祝福される

パ・リーグ 楽天3-1ロッテ

(8月15日 QVC)
 最強2本柱だ!楽天の則本昂大(たかひろ)投手(22)が15日、ロッテ戦で7回を3安打1失点で11勝目。チームの連敗を2で止め、田中将大投手(24)の07年に並ぶ球団新人最多記録をマークした。自身5連勝と夏場になっても勢いは衰えず、7月以降は田中と2人で貯金10。16日の西武戦(西武ドーム)にプロ野球新記録の21連 勝を懸けて先発するエースにバトンをつないだ。チームは17日にも球団史上初となる優勝マジック34が点灯する。

 あわや同点3ランかと思われたブラゼルの特大ファウルに、ロッテファンの歓声がため息に変わる。3点リードの7回1死一、三塁。則本は「一発だけはダメだ」と自らに言い聞かせた。しかし、逃げない。腕を振り続けた。10球のファウルを挟んでフルカウントからの14球目はこん身の148キロ直球。中犠飛で1点を失ったが、最少失点で切り抜けた。

 「ブラゼル選手はいい打者。犠牲フライを打たれたけど、1点で抑えることができてよかった」

 7回3安打1失点。中堅から本塁方向への6メートルの海風にも助けられた。上空の風はバックネットではね返り、マウンドでは向かい風となる。これがチェンジアップの変化を大きくした。決め球として使用したのは7回までの21アウト中で5度だったが、打者に警戒させることで最速150キロの直球も生きた。7回のピンチでブラゼルの中犠飛はど真ん中の直球だったが、完全に押し込んだ。

 「田中さんが1年目(07年)に記録した11勝を超えたい」。WBCに参加して疲労がたまっていた田中に代わり3月29日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では新人ながら開幕投手を務めたが、7回途中4失点で黒星。勝てば田中と小山伸から携帯用ゲーム機をプレゼントされるはずだった。意気消沈したが、次戦の4月5日のロッテ戦(Kスタ宮城)でプロ初勝利。数日後、2人の先輩からサプライズで同機を贈られた。田中からは事あるごとにアドバイスを受けている。常に支えてくれる先輩を超えることが最大の恩返しだ。

 これで自身5連勝。開幕から16連勝を記録している田中とともに、苦しい夏場に投手陣をけん引している。7月下旬の球宴期間の休みでも勉強を怠ることなく、寮で雑誌に掲載されていたダルビッシュ(現レンジャーズ)の投球フォームの連続写真を見て「理にかなったフォーム。自分も脱力してリリースで100%の力を発揮するように意識したい」と決意した。
 前半戦はピンチで力を入れると直球がシュート回転するなど球の質が落ち、球数も増える悪循環があった。この日は6回まで62球。「力まずにいけたのがテンポにつながった」とうなずいた。

 チームは3連敗を免れ、2位・ロッテとのゲーム差を5・5に広げた。17日にも優勝マジックが点灯する。球団が創設された8年前は14歳の少年だった則本が、田中とともに柱の一本となっている。

 ▼ロッテ・ブラゼル(7回1死一、三塁で14球粘って中犠飛)投手と打者で素晴らしい戦いができた。則本は才能のある投手だ。

 ▼楽天・星野監督 1年目の11勝は高卒(田中)と大卒(則本)で違う。でもきょうはよく投げた。

 ≪最短17日にもM点灯≫則本(楽)が7回1失点で11勝目。07年田中の持つ球団の新人最多勝利記録に並んだ。田中の11勝目は自身シーズン最終登板の28試合目、チーム142試合目。則本は登板20試合目、チーム100試合目といずれも田中より早い。則本は救援登板した7月6日ソフトバンク戦から球団新人最多の5連勝。7月以降は5勝1敗で、同期間6勝0敗の田中と2人で首位のチームをけん引している。これで楽天は最短で17日に優勝マジックが点灯。16日からの西武戦に連勝し、ロッテがオリックス戦に連敗すればM34が出る。

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