阿部2戦連発で貯金20 このまま折り返せばV率100%

[ 2013年7月11日 06:00 ]

<巨・ヤ>3回2死二塁阿部が右越えに2ランホームランを放ち宮国に迎えられる

セ・リーグ 巨人6-2ヤクルト

(7月10日 福島)
 ヒーローインタビューの最後に、阿部はいたずらっぽく笑った。「マー君にきのう、丁寧に“最高で~す”と言ってもらって、僕もきょう最高でーす」。楽天・田中が9日の日本ハム戦に完封し、東京ドームのお立ち台で口にした自身の決めゼリフを、一夜明けて自らの口で福島のファンに披露した。

 「得点圏にランナーがいたので何とか還すつもりだった。最高の形になった」

 2点リードの3回2死二塁。左腕・赤川の高めに浮いた変化球を捉えた。右越え22号2ラン。前夜の山形に続く2戦連発に「ボール気味だったけど素直にバットが出てくれた」と自画自賛した。5年ぶりの福島・あづま球場での主催試合開催。東日本大震災の復興支援の一環「橙魂シリーズ」のオレンジユニホームを着用しての一発。22日には同じ福島のいわき市で球宴第3戦に臨む。「またその時に打てればいいね」。震災の傷の癒えない福島で、球宴での一発の再現も口にした。

 2日の甲子園で右脇腹を痛め、9日に一塁でスタメン復帰。原監督も「まだファーストベースだけど、楽しそうにやっているね」と称えた。患部の再発予防には余念がない。阿部は秘密兵器を導入していた。座る際に敷くプラスチック製の特殊な器具。40センチ四方の浅いスープ皿のような形状のものだ。「これに座ると骨盤が立つ。乗り物に乗るとどうしても背中が曲がる。そうすると背中に負担がかかる」。右脇腹故障も5月から慢性的に溜まった背中の疲れが原因。前夜、試合後の山形から福島への約2時間のバス移動の際にも「相棒」に座りケアに努めた。

 主将の1発で3連勝。貯金は今季最多、大台の20に早くも乗った。前半戦は残り6試合。貯金20を維持して折り返せば、過去17度すべて優勝のV率100%ターンになる。「一つ一つ積み重ねていきたい。でも、まだまだ守るというの(気持ち)はみじんも、かけらもありません」と原監督。阿部が、巨人が東北で再び勢いに乗った。

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2013年7月11日のニュース