いきなり4時間43分…ロッテ角中 延長12回サヨナラ犠飛

[ 2013年3月30日 06:00 ]

<ロ・オ>延長12回1死満塁、ロッテ・角中はサヨナラの中犠飛を放ち根本に抱きつかれ笑顔

パ・リーグ ロッテ3―2オリックス

(3月29日 QVCマリン)
 勝負を決めたのは、やはりこの男だった。延長12回、ロッテは同点に追いつき、なお1死満塁。角中は中山の初球、高めの直球を迷わず振った。見逃せばボールだったが、きっちりと中堅に打ち上げた。

 「伊東監督に勝利をプレゼントしたいという気持ちだったので、勝てたことが一番良かった。これだけ長引いた試合なので、もし負けたら精神的にきつかったですし」。初陣の伊東監督に開幕戦で劇的なサヨナラ勝ちをプレゼント。その指揮官から打席に向かう前、こう言われた。「浮いてきた球はどんどんいけよ」。犠飛を打つためには最適な高めのボール。昨季首位打者は、見事なバットコントロールを見せた。

 伊東、森脇の新監督同士の対決は、「3時間半ルール」撤廃の影響を受ける展開となった。昨季までなら引き分けのケースだが、今季は時間制限なしで12回まで延長戦を行うルール。そして、角中が4時間43分の死闘に終止符を打った。WBCに出場した経験も生きた。「WBC以上に緊張する舞台はない。普段通りの勝ちたいという気持ちでやれた」。もともと強心臓の持ち主だが、世界との戦いの中でさらに精神面が強くなった。

 チームが開幕戦でサヨナラ勝ちするのは69年以来、実に44年ぶり。本拠地で開幕戦白星を挙げるのも96年以来で、指揮官は「最後までよく粘ってくれた」と選手の頑張りをねぎらった。昨季は5位。今季は最下位予想する評論家が多く、角中は言った。「最下位に予想した評論家たちを何とか見返してやりたい」。その反骨心がチームを強くする。

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2013年3月30日のニュース