ドミニカ共和国 無敗V王手 バナナパワーだ5回一挙4点逆転

[ 2013年3月20日 06:00 ]

<ドミニカ共和国・オランダ>逆転で決勝進出を決め、喜びを爆発させるドミニカ共和国ナイン

WBC準決勝 ドミニカ共和国4―1オランダ

(3月18日 サンフランシスコ)
 メジャーのスター軍団・ドミニカ共和国が、史上初の全勝Vに王手をかけた。3点差の9回を締めたのは、守護神ロドニーだ。最後の打者を見逃し三振に打ち取ると、ナインと一緒に中堅上空に向かって弓を射るお決まりのポーズ。グラウンド上でのインタビューでは、母国の名産であるバナナを夜空に突き上げた。

 「ラッキーアイテムなんだ。おかげで勝てた」。前日に母国の実家から送られてきたバナナ。「バナナが俺にこう言ったんだ。“私を近くに置いておけば、試合に勝てるよ”ってね」。全7試合に登板し、6セーブ。昨季レイズで48セーブ、防御率0・60を誇った剛腕は、試合前の選手紹介にもバナナを持ち込み、ベンチではポケットに入れて験を担ぐほどだった。

 ドミニカ共和国では糖分が少ない調理用バナナをすりつぶし、揚げた豚の皮やニンニクなどで味付けした「モフォンゴ」などのバナナ料理が有名。トニー・ペーニャ監督は「こういう大きな大会は重圧がかかる。見慣れたバナナを持ち込むことで、みんなの緊張をほぐそうとしているんじゃないか」と説明する。

 「バナナパワー」の恩恵を受けたナインは、オランダに1点を先制されたが、5回に先発に抜てきされたシエラが、1死二塁から同点左翼線二塁打。2死後に11年のナ・リーグ首位打者のレイエスが中前に勝ち越し打を放つなど、5安打で4点を奪って逆転した。

 前回09年大会も優勝候補に挙げられたが、1次ラウンドでオランダに2敗して敗退。その因縁の相手にリベンジを果たして悲願の初優勝にあと1勝とした。「チームに一体感が出てきた。結果は神のみぞ知る」と指揮官。バナナのような上昇曲線を描くドミニカ共和国が、無敗のまま頂点まで駆け上る。

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