松坂 はい上がる!初のマイナー開幕も残留決断

[ 2013年3月20日 06:00 ]

開幕メジャー入りのないことを通告され、黙々とキャッチボールをするインディアンス・松坂

 インディアンスとマイナー契約を結び、招待選手としてキャンプに参加している松坂大輔投手(32)が18日(日本時間19日)、開幕ロースター(25人枠)漏れを通告された。FAとなって他球団へ移籍する選択肢もあるが、現時点ではイ軍に残留し傘下の3Aコロンバス行きを受け入れる考え。松坂は初めて開幕をマイナーで迎え、メジャー昇格を目指すことになった。

 悲壮感はない。髪を短く切った松坂は、すっきりとした表情で自身の立場について語った。

 「驚きはない。開幕メジャーを目指していたので残れないのは、残念だけど、ここで終わりではない。きょうがスタートの日だと思う」

 全体練習前にクリス・アントネッティGM、テリー・フランコナ監督と今後について話し合った。その席で、開幕25人枠に入らないことを伝えられた。一番の理由は調整遅れだ。マイナー契約で合意したのは、キャンプイン2日前の2月10日。練習試合も含めて、5試合に登板し防御率2・45ながらも、右ふくらはぎのけいれんで緊急降板するなど、投球回数はわずか11回だった。松坂本人も「球数やイニング数など、開幕に行くには足りない」と調整不足を認めていた。

 松坂は、マイナー行きを拒否してFAになる権利を契約に盛り込んでいる。先発の駒が不足している球団が獲得に乗り出す可能性もあり、今後も代理人とは継続的に話をしていく。しかし、新チームで実力を認めてもらうには時間もかかるとの判断から「このまま残ってやるのが自分にとっていいと思う」とマイナー行きを受け入れる考えを示した。首脳陣から「もう少し時間をかけて状態を上げてほしい。残ってほしい」と言われたことも決断を後押しした。

 イ軍の昨季先発陣の防御率はリーグ14球団中13位の5・25。今季も盤石とは言えず、3Aで結果を残せば、メジャー昇格のチャンスは十分ある。次回は21日(日本時間22日)にマイナー戦に先発。「上に行く時期がずれたと思ってやるだけ。じっくりやるための時間をもらったと思っている」。落ち込む暇などない。松坂はマイナーからはい上がる覚悟を決めた。

 ▽コロンバス・クリッパーズ 09年からインディアンス傘下3Aに属し、本拠地はオハイオ州の州都でもあるコロンバス。イ軍の本拠地クリーブランドからは、約230キロ南西に位置する。14球団で構成するインターナショナル・リーグの西地区に所属し、昨季は地区2位。同リーグは年間145試合。過去には野茂英雄、大家友和らの日本人のほか、06年までヤンキース傘下の3Aだったため、リベラ、ジーター、カノらもプレーした。

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