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「似て非なる」ものだった統一球とWBC球

2月17日、広島との練習試合でWBC球を見つめる田中

 3回目を迎えた大会でも、最大の課題は結果的に解消されないままだった。投手陣は最後まで大リーグ公認球と同じWBC球の対応に苦しみ、質、量ともに他国を圧倒するはずの投手陣は本来の力を発揮することができず姿を消した。

 加藤良三コミッショナーの主導で11年シーズンから導入された統一球。大きな目的の一つは国際大会への対応だった。縫い目の幅を1ミリ広く、高さも0・2ミリ低くして大リーグ球に近づけた。革もそれまでの最高級部分の背中だけでなく、大リーグ球と同じ脇や腹の部分も使った。それでも指先の感覚が繊細な投手にとって、統一球とWBC球は「似て非なる」ものだった。

 統一球を手にしたことのある松坂(インディアンス)は、握ったときの感触も含めたその類似度について「大リーグ球を10としたら、統一球は3くらい」と表現する。違和感を感じていたのは投手だけではない。内川は「打ったときにすかすかした感じ」と力が伝わらない様子を訴えた。さらに送球がすっぽ抜けて失策にならないように、低い球筋を徹底する指示も出ていた。そして皮肉にも、反発係数を従来より抑えた統一球で、国内リーグの本塁打数は激減。国内リーグの魅力を奪っているとの指摘もある。

 与田投手コーチは「全ての選手と言っていいくらい、苦しんでいた。滑ると思うあまり無意識のうちに力が入る。統一球ではあり得ない腕や肘の張りが出る」と指摘する。投手陣13人の中で最もWBC球に適応したといえる前田健も、その影響から右肩に不安を抱えた。他国はラウンド間で投手を頻繁に入れ替えたが、山本監督は「ボールの問題があるから追加招集ができない」と振り返った。

 加藤コミッショナーはこの日「まだ大リーグの球の方が滑る。一足飛びにはいかない。日本の球を大リーグでも、世界大会でも使ってもらえれば。一つの希望でもあります」と話した。希望と付け加えたのは理想論であり、現実的でないと知るからだろう。統一球のさらなる改善がない限り、国際大会でのボールの問題は永遠に侍ジャパンの足かせであり続ける。

[ 2013年3月20日 12:00 ]

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