来年1月パパに!4番中田“大黒柱”のV打「日本一に」

[ 2012年10月20日 06:00 ]

<日・ソ>試合後、武田久(右)とハイタッチする日本ハム・中田(中央)

パ・リーグCSファイナルS第3戦 日本ハム4―2ソフトバンク

(10月19日 札幌D)
 クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は19日に第3戦が行われ、パ・リーグはリーグ覇者の日本ハムがソフトバンクを下し、4勝0敗(アドバンテージ1勝を含む)として3年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。初回、4番・中田翔内野手(23)が左翼フェンス直撃の先制二塁打を放つなど3点を挙げ、逃げ切った。栗山英樹監督(51)はプレーオフ、CSで新人監督として史上初めて全勝で突破。日本ハムは27日からの日本シリーズでセ・リーグのCS覇者と対戦する。
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 スタンドから投げ込まれた7色のテープを、中田はまぶしそうに見つめていた。次のステージへの切符を自らのバットでつかんだ。気分は自然と高揚していた。

 「うれしいの一言。最高ですね。3連勝とは…。考えられないくらいにうまくいった。ファイターズの力というものをあらためて凄いと思った」

 バットで重圧を吹き飛ばした。初回2死一塁。2球目の127キロスライダーを力みないスイングで捉えた。左翼フェンス直撃の先制二塁打。今季最多勝の相手エース・摂津の出はなをくじいた。中田のCS初打点は、その後の3連打を呼び込んで3点を先制。4番の一撃は決勝打となった。

 6回の第3打席でも中前打でこのシリーズは3戦計9打数4安打、打率・444。本塁打こそなかったが、4番の仕事をきっちりと果たした。

 今季はレギュラーシーズンでも全144試合に4番として先発出場。シーズン前半戦は不振に苦しみ「重圧もあったのは確か。誰にも相談できなかったし、正直苦しかった」と振り返る。それでも守備、全力疾走、ベンチでの声出し、日々の練習は怠らなかった。「4番というポジションにいる僕が簡単に三振とかをすると流れが変わってしまう」。チームの勝敗は全て4番の責任。くしくも、この日引退したソフトバンクの小久保の持論と全く同じである。「4番の宿命」を中田は受け継いでいた。ベテランの稲葉も「翔が打てなくて負けたなら仕方ない。ウチの4番は翔」と全てを託した。リーグトップの勝利打点17。期待に応えた姿はポストシーズンに入っても変わらなかった。

 前回出場した09年、巨人との日本シリーズ。入団2年目の中田はいずれも代打で起用されて、2打席とも空振り三振に倒れた。「何が何だか分からず、何となくフルスイングしていた。打てなくて当然」。あれから3年。今年1月には大阪桐蔭時代の同級生と結婚。現在妊娠中の夫人は来年1月に出産予定で、守るべき家族がもう一人増える。「1年間試合に出させてもらって1試合の重みも知った。あの頃とは気持ちが違う」。この3年間で若き主砲は心身ともに大きく成長した。

 「バットも振れているし、凄く充実している。ここまで来たら、日本一にならないと意味がない。挑戦者のつもりでぶつかっていきたい」

 6年ぶりの日本一奪回を目指す日本シリーズ。チームの、そして家庭の大黒柱として大舞台へ乗り込むこの挑戦者は、相当に手ごわい。

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2012年10月20日のニュース