武田久 3連続Sも「日本シリーズの借りは日本シリーズで」

[ 2012年10月20日 06:00 ]

<日・ソ>拍手を送られて表彰に向かう日本ハム・武田久(中央)

パ・リーグCSファイナルS第3戦 日本ハム4―2ソフトバンク

(10月19日 札幌D)
 勝利の方程式は、CSでも健在だった。日本ハムの最後を締めたのは3連投の守護神・武田久だ。2点差の9回から登板。一発が出れば同点の1死二塁でペーニャを空振り三振に仕留めると、小久保を遊飛に打ち取り、雄叫びとともに拳を握った。

 「3試合ともいい試合。僅差を勝ち切れたので、ファイターズらしい戦いができた」

 3試合全てでセーブをマークし、パのCSスポンサー、マニュライフ生命の特別賞に選ばれた右腕だが、喜ぶのは一瞬だ。日本シリーズは、3年前の借りを返す舞台となる。09年は3試合に登板して防御率7・71。「日本シリーズの借りは日本シリーズでしか返せないと思う」。今も鮮明に記憶に残る悪夢を振り払う権利を得た守護神は勝ってかぶとの緒を締めた。

 試合後は、両軍選手によって胴上げされた小久保の元に歩み寄った。「緊張しましたよ。お疲れさまでした」と声をかけた。プライベートでも食事に行くなど親交のある大先輩。小久保にとっての「最後の投手」となったことには「いい思い出になりましたね」と寂しげな表情を浮かべた。

 先発のウルフの後を受け、7回1死から登板した左腕の石井は右打者2人をピシャリ。8回は同じく3連投の増井が1点を失ったが、リードを守って守護神にバトンをつないだ。リーグ新記録を樹立する50ホールドポイントを打ち立てた右腕は「日本シリーズもしっかり調整していいコンディションで臨みたい」とすぐに頭を切り替えた。

 リーグ最強のリリーフ陣は日本シリーズでも最高の武器となる。栗山監督も「試合間隔が空いたのに、これだけの緊張の中で自分の投球ができるのは凄い」と頼もしそうだった。

 ▼日本ハム・鶴岡(選手会長就任1年目での日本シリーズ進出)09年は悔しい思いをした。日本シリーズの借りは日本シリーズでしか返せない。絶対勝ちたい。

 ≪最多タイ記録≫日本ハムはウルフが勝ち投手。プレーオフ、CSの日本シリーズ進出決定試合で外国人が勝つのは08年クルーン(巨)に次ぎ2人目。また、クルーンは救援勝利で、先発勝利はウルフが初めてだ。救援の武田久は3試合連続の3セーブ。PO、CSの1ステージ3セーブは、05年PO第2Sの小林雅(ロ)、07年CS第2Sの岩瀬(中)に並ぶ最多タイ記録になった。

 ▼日本ハム・ウルフ(7回1死からペーニャにソロを被弾も6回1/3を1失点で白星)きょうは真っすぐ系のボールが凄く良かった。カーブをあまり投げすぎずにいけた。

続きを表示

2012年10月20日のニュース