たった4ミリに苦しんだ中村 試行錯誤する中で崩したバッティング

[ 2012年5月17日 09:14 ]

<D・西>8回無死一塁中村は2ランを打ち片岡(右)らナインから手荒い祝福を受ける

交流戦 西武3-1DeNA

(5月16日 横浜)
 極度の不振が続いていた西武・中村剛也内野手(28)がDeNA戦で先制ソロ、決勝2ランの2本塁打を放った。

 飛ばないとされる統一球元年の昨季に48本塁打を放ち、「普通に打てば(日本記録の)55本打てる」と臨んだ今季。しかし、予想外の「敵」に苦しんでいた。

 昨年1月にプロ・アマ合同の野球規則委員会で、木製バットの最大直径を従来の7センチからMLBの公式ルールに合わせて上限が6・6センチ以下に変更され、今季から適用された。

 たった4ミリ。だが、この4ミリが中村の感覚を狂わせた。キャンプ中も「自分のポイントで打たないといい打球がいかない。その確認」と、全体練習後に特守を行っていた外野陣に自らノックする姿も見られた。

 しかし、シーズンに入っても「自分のバットじゃないみたい」と周囲に漏らすこともあったという。13日の日本ハム戦(函館)ではグリップにテーピングを施した。バットで試行錯誤する中、従来より無意識に前のポイントで捉えようとしたため上体が突っ込んでいった。また、焦りからなのか、外角のボール球を振る場面が目立ち、打率も1割台に低迷。開幕3戦目となった4月1日の日本ハム戦(札幌ドーム)で今季1号を放って以来、前日まで29試合124打席連続ノーアーチ。その間、長打もわずか4本しかなかった。

 そして迎えた交流戦。先頭打者だった2回に外寄りの直球を高々と左中間席に運んだ。先制の左中間ソロ。難産の末の2号に、「久しぶりにあれだけ(打球が)上がった。オープン戦でもなかったので思いっきり走った」と振り返った。

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