常葉菊川野球部員が提訴 先輩のいじめで不登校に

[ 2012年4月25日 20:20 ]

 常葉学園菊川高校(静岡県菊川市)硬式野球部員の横浜市の男子生徒(17)が25日、先輩部員から暴行されるなどのいじめで不登校になったとして、経営する学校法人常葉学園や当時の先輩らに計約2900万円の損害賠償を求め、横浜地裁に提訴した。

 同校は春夏通算で6回甲子園に出場、2007年の春に全国制覇した強豪校。

 訴状によると、生徒は野球の特待生として10年に入学。同5月ごろから先輩から殴られたり、バットで腕をたたかれたりするなどの暴行を受け、昨年2月ごろには「野球やめろ。出て行けよ」などと言われ寮を追い出されたという。

 生徒と両親はいじめを訴えたが、学校側は十分な対策をとらなかったと主張。生徒は現在も不登校が続いている。

 当時の先輩4人は暴行容疑で書類送検され、静岡地検浜松支部は昨年9月に家裁送致。静岡家裁浜松支部は今年1月、審判不開始を決定した。訴状では暴行の事実は認定されたとしている。

 暴行問題の発覚を受け、日本高校野球連盟は昨年、同校野球部を注意した。

 生徒の母親は「学校側が対策をとっていれば不登校にならず、甲子園とプロを目指して野球を続けられた。先輩と学校側は謝罪してほしい」と話している。

 常葉学園は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。

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2012年4月25日のニュース