バレンティン 引っ張り専門から卒業弾!右翼へ今季もう2本目

[ 2012年4月25日 06:00 ]

<ヤ・中>3回1死二塁、ヤクルトのバレンティン(奥)は2ランを放ちミレッジと抱き合う

セ・リーグ ヤクルト4-1中日

(4月24日 神宮)
 首位ヤ――。ヤクルトは24日、ウラディミール・バレンティン外野手(27)が中日戦の1点リードの3回に、リーグ単独トップの5号2ラン。20日の巨人戦(神宮)から不振の畠山和洋内野手(29)に代わって4番に座り、4試合で3本目のアーチ。昨季本塁打王が打線をけん引し、チームは4連勝。中日とならび首位に浮上した。
【試合結果】

 右翼へ加速度を増す打球が成長の証だった。1点リードの3回1死二塁。その初球だ。バレンティンが山井の外角高めの直球を振り抜いた。リーグ単独トップとなる5号2ラン。この一撃が、チームを開幕からちょうど20試合目で中日と並ぶ首位タイに押し上げた。

 「右方向に飛ぶのは、外の球にバットが最短距離で出ているから。良いスイングだった」

 来日1年目の昨季は31本塁打でタイトルを獲得した。一方で、打率・228は規定打席に到達した中でリーグ最下位。外角球を強引に引っ張り、ボール球を振り続ける確実性の低い打撃に首脳陣の信頼は薄かった。

 今季もスタートは迷走した。キャンプ終盤に右肘痛。打撃練習すらできない日々に、小川監督も「本塁打王でも開幕2軍はある」と突き放した。3月17日に「金メダルをイメージした」と気分転換で髪を金色に染めたが、首脳陣から総スカンだった。伊勢総合コーチからは「アホちゃうか。ブリキメダルしかやれんわ」と酷評され、わずか2日後には丸刈りに。だが、ピエロのままで終わらなかった。

 キャンプ中から右方向への強い打球にこだわった。「内側からバットを出すスイング軌道にすれば打率も上がる」と分析。意識を変えて実践することで打つ瞬間まで体が開かず、ボール球も見極められるようになった。右翼の本塁打は昨季31発中わずか1本だったが、今季は5本中早くも2本。打率もチームトップの・310だ。打撃不振の畠山に代わって20日の巨人戦(神宮)から4番に座り、4試合で3本塁打。チームも今季初の4連勝となり、小川監督も「彼は日本の野球を研究したら凄い打者になる」と目を細めた。

 励みになる材料もある。カルラ夫人と昨年10月17日に誕生したミヤちゃんが5月上旬に来日予定。「責任感も強くなった。野球で良い結果を出したい。去年はできなかったので今年は優勝が一番の目標」。改心した助っ人は今年はただの「一発屋」では終わらない。

 ▼ヤクルト・伊勢総合コーチ(好調のバレンティンについて)分からんよ、あいつは。でも(本塁打は)巨人、阪神、中日と強いチームから打っている。頼もしいね。

 ≪2年連続は初≫ヤクルトが中日に勝ち、3月31日以来の同率首位に立った。昨季もヤクルトはこの日と同じ20試合消化時に12勝6敗2分けで単独首位。開幕20試合時に同率を含め首位はチーム6度目になるが、2年連続は初めてだ。3回にはバレンティンがリーグ単独トップとなる5号2ラン。ここ4試合は4番に座り13打数で3本塁打。7番では45打数で2本塁打だったが、中軸で量産ペースに入っている。

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2012年4月25日のニュース