光星学院・村瀬の祖父母 自宅被災も「元気100倍」

[ 2012年4月3日 06:00 ]

<光星学院・関東一>2回1死、光星学院・村瀬は吉江の打球を好捕

センバツ準決勝 光星学院6―1関東一

(4月2日 甲子園)
 光星学院にとっては、被災地への思いも背負っての勝利だった。5回1死三塁から左犠飛で貴重な3点目を挙げた2番・村瀬は「宮城県民であることを忘れずにプレーしている」と胸を張った。

 昨年の東日本大震災で宮城県石巻市内の祖父母の自宅が被災。東北高で甲子園に出場した父・公三さん(43)の記念パネルなどが津波で流された。この日は一塁側アルプス席で祖父・公男さん(75)、祖母・カツ子さん(73)が観戦。公男さんは「元気100倍になりますね。思いは孫に託してあります。私たちも長生きしないとね」と喜んだ。

 また、ナインの動きを見つめ続けた小坂貫志野球部長(33)は津波で八戸市の実家が被災したが、部員にはまだ話していない。近くを流れる新井田川からあふれた水が実家を襲った。両親と妹2人は逃げて無事だったが、魚の加工場だった1階は天井まで浸水。冷蔵庫など機材は全て壊れ、約1000万円の損害が出た。

 岩手県北上市出身で「5番・一塁」で出場した武田は「野球ができる感謝の気持ちを忘れてはいけないと思った。東北人が頑張っているところを見せて、被災した人やボランティアで来てくれている人に感動と感謝を伝えたい」とナインの思いを代弁した。

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