山崎、意地の一発!戦力外の楽天に強烈“恩返し”

[ 2012年3月24日 06:00 ]

<中・楽>2回、中日・山崎(右)は左越え2ランを放ちブランコに迎えられる

オープン戦 中日3―1楽天

(3月23日 ナゴヤD)
 中日の山崎武司内野手(43)が23日、昨季まで7シーズン在籍した楽天と移籍後、初対決。2回の第1打席で、オープン戦トップとなる先制の4号2ランを左翼席に叩き込んだ。戦力構想から外れ、退団した古巣相手に意地の一発。5月22、23日の交流戦(Kスタ宮城)での仙台凱旋を励みに、開幕4番が内定している26年目の開幕に向かう。

 強烈な「恩返し弾」だった。2回1死一塁、塩見のフォークをこん身の力で振り抜くと、山崎はゆっくりと一塁へ歩きだした。打球は左翼席中段に飛び込む4号2ラン。昨季限りで戦力外となった古巣に意地を見せた。

 「きょうは全打席120%の気持ちでスイングしようと決めて、朝、家を出てきた。見返してやろうとかいうのではなく、楽天の若い選手に俺はまだまだ元気だというのを見せたかったからね」

 震災に見舞われた昨季をともに戦い抜いた元チームメートとの初対決。自身を戦力外とした星野監督の前での一戦でもあった。「あのユニホームを見ると寂しいなと思うし、懐かしい気もするけど、プロ野球選手の宿命だから」。ある意味、レギュラーシーズン以上に気合を入れて臨んだ第1打席で、いきなり最高の結果を出した。それが、東北のファンにも愛された山崎武司という男だ。

 不本意な形でチームを去ったとはいえ、7シーズン過ごした仙台への愛着は今も薄れていない。キャンプ中には沖縄県北谷町の桑江中学校の生徒たちとともに復興への願いを込めたメッセージボールを製作。今月6日に被災地の中学校に贈った。そんな山崎が1週間後に迫った開幕とともに「特別な一日」と位置付けているのが、5月22、23日の楽天との交流戦だ。

 「ファンの皆さんに、“まだまだ元気で頑張ります”といくら口で言ってもダメ。僕らはプレーでしか見せられない。きょうのこれをKスタで再現できるように、イメージしてやっていくよ」。さらに言った。「あとは田中将大の結婚祝いに打ってやらないといかんな」と、次のターゲットにはマー君を指名した。

 7回の第3打席でも左前打し、2安打2打点。4本塁打はオープン戦トップとなり、高木監督も「今の状態じゃ、4番は彼しかおらん」とあらためて開幕4番を明言した。「43歳のおじさんだけど、ルーキーのように猛アピールしたい」と山崎。古巣への意地と仙台への感謝。2つの思いが大ベテランを支えている。

 ≪ノムさん以来37年ぶり≫今年44歳になる山崎(中)が今オープン戦単独最多の4号。このままオープン戦本塁打王ならシーズン40歳以上の打者では75年野村克也(南海=同年40歳)が5本を打って以来37年ぶりとなる。

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2012年3月24日のニュース