バントなしの２番・ボウカー　超攻撃型オーダー完成

＜巨・広＞初回１死、ボウカーが初球を右中間三塁打

オープン戦 巨人３―８広島

（2月18日 サンマリン宮崎）
　巨人の新外国人ボウカーが「２番・左翼」で、強烈な存在感を見せつけた。

　「２番は自分としては楽しかった。うまい具合にクリーンアップにつなぐことができた。最初の試合で結果が出て、いいステップになった」

　初打席。広島・中崎の初球、１３５キロの直球を振り抜いた。打球は右中間を深々と破り、一気に三塁へ。２死一、三塁から村田の中前打で生還。チーム初安打と同時に、チーム初得点も記録した。そして３回無死一塁、５回無死一、二塁では、ベンチから送りバントのサインは出なかった。

　これこそボウカーのシャープな打撃を生かした超攻撃型オーダー。２打席目は「１打席目に真っすぐを打っていたので、変化球が来るんじゃないかと読みがあった」。狙い通りにチェンジアップに体勢を合わせた。逆風に押し戻されて右飛となったが、原監督に「２打席目も普通（の風）だったらね」と言う本塁打性の当たり。１、２打席目ともに初球打ち。打撃に自信があるからこそ初対戦の投手でも積極的にバットが出る。「２番・ボウカー」が機能すれば、チームの攻撃のバリエーションが増える。

　岡崎ヘッドコーチは「あの打撃をしてくれれば、２番ないし、クリーンアップでも考えられる」。メジャーで５試合しか経験のなかった２番スタメンで輝きを放ったボウカー。巨人に「強打の２番」が誕生する予感が漂い始めた。

　▼巨人・坂本（５打数２安打）センター方向を意識して打ちました。

　◆ジョン・ボウカー

　☆生まれ　８３年７月８日、米カリフォルニア州サクラメント生まれの２８歳。

　☆サイズ　１メートル８８、８６キロ。左投げ左打ち。

　☆球歴　カリフォルニア州のリオ・アメリカーノ高では野球、アメリカンフットボール、バスケットボールと３競技をプレー。カリフォルニア州立大ロングビーチ校から０４年ドラフト３巡目でジャイアンツに入団した。

　☆デビュー戦男　０８年４月１２日のメジャーデビューとなったカージナルス戦で３ラン。続く出場２試合目でも本塁打し、ジャイアンツ史上初のデビューから２戦連続本塁打をマーク。

　☆打ち出の小づち　ＳＳＫ社では最軽量の８７０～８８０グラムのバットを使用。打撃練習では打ち損じが少なく、バットの芯の部分だけにボールを捉えた跡が残る。

　☆日本人キラー　メジャー時代は黒田から通算９打数４安打。川上、薮田、斎藤らからも安打を記録した。