ダル交渉難航…年俸提示額と年10億円差で残留傾く?

[ 2012年1月7日 06:00 ]

5日にテキサスから帰国したダルビッシュ、心なしか浮かない表情?

 日本ハムからポスティング・システム(入札制度)によりメジャー移籍を目指すダルビッシュ有投手(25)と落札したレンジャーズとの交渉が難航していることが5日(日本時間6日)、分かった。ダルビッシュ側が希望する年俸と初回提示額に10億円近い開きがあり、互いに求める契約年数も5年に対し6年と異なる。いまだ本格交渉も行われていない。ダルビッシュ側は日本ハム残留も視野に交渉する姿勢だけに、米東部時間18日午後5時(同19日午前7時)の期限ギリギリまで予断を許さない。

 レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは、この日、ダルビッシュの代理人アーン・テレム氏との交渉について「出る情報が少なければ少ないほどいい」と話し、引き続き沈黙を貫いた。しかし、ある大リーグ関係者は、球団側の交渉姿勢について「松坂がモデルケースになる。年平均800万ドル(約6億1600万円)からのスタートになるだろう」と分析した。2000万ドル(約15億4000万円)を希望するダルビッシュ側との差額は年平均で1200万ドル(約9億2400万円)と、実に10億円近い。

 さらに、双方の隔たりは契約年数にも及んでいる。別の大リーグ関係者は「30歳を一つの区切りと考えているようだ」と、ダルビッシュ側が30代でのさらなるステップアップを視野に、5年契約を希望していることを示唆。また、5年ならレンジャーズが想定している6年分の「ダル資金」の年平均での増額も期待できる。しかし、松坂を上回る入札史上最高の5170万3411ドル(約39億8116万円)を投じたレンジャーズ側からすれば、松坂と同様に自動的にFA権を取得するまでの6年契約を求めるのは、極めて自然な流れだ。

 残されている交渉期間は12日。昨季16勝のウィルソンが同地区のエンゼルスへ移籍し、投手補強が急務のレンジャーズが、春季キャンプへの準備も迫る中、決着を急ぐ可能性もある。年明けに3泊5日で緊急渡米し、球場見学やノーラン・ライアン球団社長兼共同オーナーらとも対面したダルビッシュだが、自身の求める評価について妥協する可能性は低い。昨オフの楽天・岩隈に続き、西武・中島の交渉も破談したポスティング交渉。日本のエースをめぐるギリギリの攻防は、着地点を見いだせるか。

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2012年1月7日のニュース