入札金高騰がアダ!?ダルの年俸削られ交渉決裂も

[ 2011年12月16日 06:00 ]

5球団以上の入札があったダルビッシュ

 ポスティング・システム(入札制度)による大リーグ移籍を目指す日本ハムのダルビッシュ有投手(25)に対する入札が日本時間15日に締め切られ、レンジャーズ、ブルージェイズなど5球団の入札が判明した。落札額は5000万ドル(約39億円)以上に達し、最大7000万ドル(約54億6000万円)との米報道もある。06年の松坂大輔投手(31)のレッドソックスの落札額を超える可能性が極めて高くなったが、落札球団の残りの資金不足により契約交渉の難航も避けられない情勢だ。

 大リーグ機構から日本野球機構(NPB)を通じて日本ハムに伝えられた最高入札額。大リーグ関係者は「少なくとも1球団は5000万ドル以上投じた」とし、米メディアも06年の松坂にレッドソックスが投じた5111万1111ドル11セントを超えると報じた。

 各球団がギリギリまで「落札するための金額」を分析。その結果、はじき出された数字は「松坂超え」だった。入札に参加したブルージェイズの地元紙トロント・サンは最大7000万ドルまで達する可能性を指摘。さらに「入札額はSKY―High(青天井)」と報じるメディアもあり、日本最高の右腕に対し、独占交渉権獲得のためだけに、驚がくの資金が投じられたもようだ。

 米東部時間14日午後5時(日本時間15日午前7時)の入札締め切りと同時に、過熱報道のゴングが鳴った。各球団の担当記者はツイッターで「各球団の入札の有無」を速報。スポーツ専門局ESPN(電子版)は、ダルビッシュの落札球団予想アンケートを開始した。落札金額やオッズ予想もさまざまなメディアで展開されるなど、全米を巻き込んだ狂騒曲に発展している。さらに、CBSスポーツは「日本ハムは額の大きさに興奮している」と日本ハム側の反応も速報した。

 ただ、入札金の高騰は皮肉にもダルビッシュの契約交渉を難しくする。ダルビッシュの父・ファルサ氏はこの日「落札額があまり高すぎると、(契約)交渉に影響が出てくる。4000万ドル(約31億2000万円)を超えると心配」と語った。大リーグ球団は「入札額+契約」の総額でダルビッシュへの投資と考える。予算にも限りはある。入札額が高ければ契約に回す資金は自然と減る。一方、ダルビッシュ側は米国でも一流の証である年俸2000万ドル(約15億6000万円)を希望額に強気に交渉を進める方針を固めている。それだけに、入札金の高騰は「交渉決裂→日本ハム残留」のリスクが増すことも意味する。

 日本ハムがNPBを通じて受諾返答し、大リーグ機構が確認した時点で落札球団が公表される。独占交渉権を得た球団は果たしてどれだけの資金を有しているのか。落札球団との30日間の契約交渉は早くも難航が予想される。

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2011年12月16日のニュース