渡辺監督「涙が出そうな」サヨナラ勝ち!

[ 2008年5月1日 21:43 ]

9回、サヨナラ打を放った西武・石井義に駆け寄る、岡村コーチ(82)とG・G・佐藤(右)

 【西武5―4ソフトバンク】西武が今季3度目のサヨナラ勝ち。3―4の9回2死無走者からボカチカ、片岡の連打で一、三塁とし、大島の中前打で同点。続く石井義の右前打で勝負を決めた。ソフトバンクは9回に勝ち越したが、抑えのホールトンが打たれた。

 ≪石井義がやってくれた≫1点を追った9回2死で2ストライク。走者はいない。限りなく追い込まれた状況でも、今の西武ベンチには不思議と悲愴感がない。8球目まで粘ったボカチカが左翼線に運んで二塁打。ついにのろしが上がった。
 続く片岡が右前にはじき返して一、三塁。9回の赤田の負傷で守備に入った大島が同点打を放つと、逆転を信じるスタンドの歓声は最高潮を迎えた。中島の代役で3番に入った石井義の打球は、その声援に後押しされて右前へ抜けた。試合を決めた石井義は「不思議です。みんなでカバーし合って打てました」。今季3度目のサヨナラ勝ちは、土壇場からチーム一丸で勝ち取った白星だった。
 「どんな場面でも、おれたちは最後までネバーギブアップなんだ」と、ボカチカはナインを代弁して言う。チームで1試合3本塁打以上という派手な試合は「5」で止まったが、最後にものをいったのは、つなぎの心。黒江ヘッドコーチは「記録は止まったが、それに代わるものが生まれた」。
 最高の1勝で、5月が幕を開けた。「最後は信じられない。涙が出そうになった」。渡辺監督はかみしめるように、そう繰り返した。

 ≪ホールトン途切れた0・00≫ここまで防御率0・00点だったソフトバンクのホールトンが、つかまった。9回に登場。簡単に2アウトを取ったが、そこから悪夢のような4連打を浴びた。右腕は「調子は良かったが、野球は調子が良くても勝てるものではない」と、淡々として話した。
 片岡に初球を右前に運ばれ、2死一、三塁。ここで杉本投手コーチがマウンドに駆け寄ったが、続く大島にも初球を打たれて同点とされるなど、流れを断ち切れなかった。杉本コーチは「大島の打席はもったいなかった。投げ急ぐな、とは言ったんだけど…」と渋い表情だった。

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2008年5月1日のニュース