【大相撲百周年場所】白熱の団体戦は出羽海一門Aが優勝!東俊隆「勝負強いので」学生出身トリオが奮闘

[ 2025年10月8日 08:01 ]

<大相撲百周年場所>一門別選抜団体トーナメントで優勝した出羽海一門A(前列左から)清の山、雷道(後列左から)栃武蔵、三田、東俊隆
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 日本相撲協会財団法人設立100周年を記念した大相撲「百周年場所」が7日、東京・両国国技館で開催された。「古式大相撲と現代大相撲」をテーマに平安時代の宮中で行われた相撲節会(すまいのせちえ)に則った「古式大相撲」が30年振りに復活。「一門別選抜団体トーナメント」では、普段の大相撲では見ることのできない団体戦ならではの盛り上がりを見せた。

 団体戦には、5つの一門から8チームが参加。それぞれ序二段、三段目、幕下16枚目以下、幕下15枚目以内、十両の5人でチームが構成された。多額の賞金(優勝は104万円、2位は78万円、3位は52万円、1回戦敗退は26万円)が懸けられていることもあり、本場所さながらの白熱した勝負が展開された。1回戦は番付の下から順に先鋒・二陣・中堅・副将・大将と対戦していったが、準決勝のみ先鋒が十両で大将が序二段という逆の順番。くしくも2試合とも2―2の大将戦にもつれ込み、満員の観衆の中で序二段力士同士が大一番に臨んだ。

 準決勝第1試合は時津風一門Aと出羽海一門Bが対戦。時津風一門Aは2―2で迎えた大将戦で序二段・白竜(19=音羽山部屋)が播磨皇(23=山響部屋)を上手出し投げで下した。もう1試合は、二所ノ関一門Aと出羽海一門Aが対戦。こちらも2―2の大将戦となり、清の山(17=出羽海部屋)が関塚(28=田子ノ浦部屋)を押し出して決勝進出を決めた。「こんなにお客さんがいる中で相撲取るのは初めてだったので緊張した」。入門3年目で各段優勝決定戦の経験もない17歳にとっては、満員の国技館は未知の舞台だった。大一番を制した瞬間、右拳に少し力を込めるような仕草。本場所の土俵においてガッツポーズは本来禁じられているが、これも団体戦ならではの醍醐味(だいごみ)であり会場は大いに盛り上がった。

 決勝は時津風一門Aと出羽海一門Aが激突。決勝は再び序二段が先鋒となるため、準決勝第2試合の大将戦で勝った清の山は続けての登場となった。体力が持たなかったのか、先鋒戦で白竜にはたき込みで敗戦。「もう少し時間の空きが欲しかったけど、稽古を積んでいれば勝てる話なので」と悔しがりつつ稽古での体力強化を誓った。二陣戦は、出羽海一門Aの三段目・雷道(20=雷部屋)が土俵際まで押し込んで善戦するも大凜山(22=荒汐部屋)に肩透かしで敗れた。

 0―2で迎えた中堅戦、出羽海一門Aからは幕下・東俊隆(26=玉ノ井部屋)が登場。1回戦は1分20秒、準決勝は50秒の熱戦の末ともに敗れており体力的にも厳しい状況だったが、立ち合い左に動いてから突き放す速攻で大雄翔(23=追手風部屋)を押し出した。日体大出身の東俊隆は、2021年の全国学生選手権で出場唯一の4年生として団体優勝に貢献した経験を持つ。その時の準決勝・日大戦では0―2の絶体絶命の状況から中堅・中村泰輝(現横綱・大の里)が川副圭太(現三段目)を下してつなぎ、1―2の副将戦で東俊隆が春山万太郎(現幕下)を突き落としで破る殊勲の星を挙げていた。それ以来4年ぶりの団体戦。「大事なところだけ勝てた。気合が入ります。勝負強いので」と後がない場面で力を発揮した。ABEMA放送で解説を務めた阿武松親方(元幕内・大道)と、ゲスト解説で競泳男子400メートル個人メドレーリオ五輪金メダリストの萩野公介さんからは「敢闘賞は東俊隆ですね」と賛辞が送られた。

 副将戦は、栃武蔵(26=春日野部屋)が得意の左上手を取って上手投げで振って吉井(22=時津風部屋)を寄り切り。十両経験者の力を示し、チーム唯一の3戦全勝で大将戦につないだ。優勝の行方は、三田(23=二子山部屋)と大青山(25=荒汐部屋)という関取同士による2―2の大将戦へ。大青山の突っ張りを下からあてがった三田がタイミングよく引き落とし、出羽海一門Aの優勝を決めた。大歓声を浴びた三田は「チームのために頑張ろうと、久しぶりで楽しかった」と喜びを口にした。

 大相撲で普段見ることのできない団体戦は、アマチュア相撲では最も盛り上がる醍醐味。優勝した出羽海一門Aチームの東俊隆、栃武蔵、三田の3人はいずれも学生相撲出身で、その経験は豊富だった。中大出身で元学生横綱の栃武蔵(菅野陽太)は3年時に東日本学生選手権で団体優勝、日体大出身の東俊隆(今関俊介)と近大出身の三田(三田大生)はそれぞれ4年時に全国学生選手権で団体優勝を経験している。初土俵からまだ1年の三田は、一昨年の全国学生選手権決勝の先鋒戦で日大の草野(現幕内)を送り倒しで破った一番が記憶に新しい。学生時代はほぼ毎回先鋒で起用されており、大将での出場は2023年4月の全日本大学選抜宇和島大会以来だった。「後ろの方は得意ではないので前の方がよかった」としながらも、さすがの勝負強さを発揮。「学生時代を思い出しました。良い経験させてもらいました」と笑顔を見せた。


 ▽1回戦
出羽海一門B 3―2 伊勢ケ浜一門
時津風一門A 4―1 二所ノ関一門B
二所ノ関一門A 3―2 高砂一門
出羽海一門A 4―1 時津風一門B

 ▽準決勝
時津風一門A 3―2 出羽海一門B
 大青山 寄り切り 西ノ龍○
○吉井 突き落とし 上戸 
 大雄翔 押し倒し 豪刃雄○
○大凜山 突き落とし 山藤 
○白竜 上手出し投げ 播磨皇 

 出羽海一門A 3―2 二所ノ関一門A
 三田 押し出し 輝○
○栃武蔵 はたき込み 夢道鵬 
 東俊隆 送り倒し 風の湖○
○雷道 上手投げ 八女の里 
○清の山 寄り切り 関塚 

 ▽決勝
出羽海一門A 3―2 時津風一門A
 清の山 はたき込み 白竜○
 雷道 肩透かし 大凜山○
○東俊隆 押し出し 大雄翔 
○栃武蔵 寄り切り 吉井 
○三田 引き落とし 輝 

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