【陸上】“ロス五輪の星”古賀ジェレミー 「ソーラン節」での大ケガからU20日本新を樹立

[ 2025年10月8日 08:00 ]

U20日本新記録の電光掲示板と記念撮影をする古賀ジェレミー
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 滋賀の平和堂HATOスタジアムで開催された第79回国民スポーツ大会の陸上競技が、7日で幕を閉じた。

 6日の少年男子共通110メートル障害決勝では、日本高校記録を持つ古賀ジェレミー(18=東京高)がU20(20歳未満)日本記録となる13秒07で優勝した。追い風0・7メートルの条件下で、2018年に泉谷駿介(住友電工)が樹立した記録を0秒12更新した。

 スタートがやり直しとなったが、その影響を感じさせない走りで新たな扉を開いた。レース直後は「シンプルにめちゃめちゃうれしい」と喜んだ一方、本心はやや複雑だった。

 「勝てたんですけど、悔しいです。12秒台をどうしても出したかったんですけど、やっぱり壁は厚くて。まだ(13秒)0台という感じです」

 無限の可能性を秘める高校3年生は、今年6月に日本高校記録(13秒45)をマーク。7月の日本選手権ではシニア勢とわたり合い、決勝まで残って5位となった。

 ガーナ人の父と日本人の母のもとに生まれ、神奈川県横浜市で生まれ育った。元々は空手をしており、陸上は小学6年から。「空手が楽しくなくて、辞めて…。でも動くのが好きだったので、陸上かバスケで悩んで“陸上をやってみよう”と思いました」。当初は練習が嫌いで本気ではなかったが、徐々にのめり込んだ。

 中学生になって四種競技をやっていた中、400メートルと砲丸投げをするのが嫌になって110メートル障害に専念するようになった。中学時代の最高成績は神奈川県2位。関東大会は予選落ちした。

 高校に入って急激に力を伸ばし、今季は高校記録を何度も更新。さらにU20日本記録も打ち立てた。だが、今年2月には左膝に重傷を負っていた。

 「体育の授業でソーラン節のテストがあって、本気でやっちゃって…(笑い)。半月板損傷でした」

 手術するかを悩んだ末、最終的には再生療法を選択。動けなかった2カ月程度は「練習が苦手なので…。試合でどう走るかをめちゃくちゃ細かく頭の中で整理して。頭の中で自分を走らせるイメージをしていました」という。

 復帰後は実力を示し、日本選手権でもシニア勢とわたり合った。東京で開催された9月の世界選手権。村竹ラシッド(JAL)らが走った110メートル障害の準決勝と決勝を国立のスタンドで見ていた。

 「出られない立場だったんですけど“自分が出たらどこまでいくんだろう”とワクワクしながら見ていた。出たい、とずっと思っていて“準決ぐらいだたったらいけるかな”とかイメージしながら見ていました」

 自国開催の大舞台には間に合わなかったが、明るく優しい身長1メートル85の大型ハードラーが掲げる目標は大きい。

 「大学1年生で12秒台を出して、次のロサンゼルス五輪に日本人で1番で出場したい」

 村竹に続くロスの星。野望を胸に道を切り開く。

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